前半は各国の先進的な取り組みを紹介。様々な具体的な事例が取り上げられている。
第4章では、UNEPが2011年に発表した「グリーン経済に向けて」の内容を紹介している。化石燃料の開発、乱獲につながる漁船、毒性の高い殺虫剤の購入など、持続可能とは言えない資源利用を加速する補助金が世界のGDPの1〜2%
...続きを読むに上る。年間1.3兆ドル(世界のGDPの2%)を効率よく投資することによって、低炭素で資源利用効率が高いグリーン経済に移行することができる。分野別では、エネルギー供給3600億ドル、運輸1940億ドル、建築と観光それぞれ1340億ドルなど(p.160)。グリーン経済を進めることにより2050年には、現在の経済を続ける場合よりGDP全体も1人あたりのGDPも大きくなる。また、エコロジカル・フットプリントはバイオキャパシティとほぼ等しくできる可能性がある。グリーン経済への移行は、二酸化炭素の高排出・少雇用から、低排出・多雇用への転換を意味する。
今や、イギリス、デンマーク、スウェーデン、フランスなどのGDPあたりの二酸化炭素排出量は日本より少なくなっている。