宇都宮芳明のレビュー一覧

  • 永遠平和のために

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    戦争のない世界は可能なのか。理想論として退けられがちな問いに、哲学者 イマヌエル・カント は『永遠平和のために』で真正面から向き合った。国家が利害だけで動けば、平和は束の間に終わる。だからこそ彼は、法と対話による国際秩序を構想したのである。二百年以上を経た今も、世界では争いが絶えない。だが悲観だけでは歴史は前へ進まぬ。互いを敵としてではなく、人として見る想像力こそ、平和への第一歩なのかもしれない。

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    2026年05月10日
  • 永遠平和のために

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    宇宙には理性が貫かれている。人間は宇宙の一部なので、人間も理性に従って生きるのが自然だ。欲望や快楽に心を乱されてはいけない。あらゆる人間には等しく理性が宿っている。なので人類はみな等しい。全ての人間は1つのコミュニティに属するべきだ。特定のポリスに閉じこもるな。私はコスモ(世界)の市民だ▼キュニコス派。制度や文化は人為的なもの。動物の生き方が理想。虚飾は捨てよ。自足せよ。ディオゲネス

    実践的な政治家は、国家の問題を考察するには経験が必要だと言い、私のような理論家をアカデミズムの世界の住人だといって見下す。しかし私が実現できそうもない理想を述べても、世間のことに通じている政治家にはなんの影響もないのだから、言いたいことを言わせていただく(留保条項)▼代議制による立憲国家であれば、国民は戦争経費を自分の資産から支払い、自分たちが兵士として戦わなければならないため、戦争には賛成しない。だから立憲国家は戦争を起こしにくい。一方、専制国家では少数者の利益が優先され、国民の犠牲お構いなしに戦争を始める。だから専制国家は戦争を起こしやすい。なので各国は専制をやめ、立憲制になるべき▼国家を超えた平和連盟をつくろう。世界政府は専制になるかもしれないので、国家連合にする。国際法(inter-national)を超えた、世界市民法を作ろう。カント『永遠平和のために』1795

    市民とは自ら責任を負える範囲で成り立つ概念であり、世界市民として世界中の問題に責任を負うとしたら、それは耐え難い重荷になる。ハンナ・アーレント『暗い時代の人々』1972

    国籍・階級・民族・ジェンダーの違いによって、人間の間に壁を作るべきでない。理性と道徳に期待しよう。マーサ・ヌスバウム

    グローバル化の時代、個人の法的権利・義務が国家を媒介としない形で問われることが増えた。国際機構(世銀・IMF・EUなど)が国家を拘束する意思決定をしているのに、デモクラシーは国内のレベルでしか実現していない。国の自律や安全は国単位のデモクラシーの基礎なのに、安全保障は他の軍事大国に依存・従属している。グローバル化により先進資本主義国が文化的に各国を支配しており、各国のアイデンティティが損なわれている。国際金融市場がグローバル化しており、各国の市場への管理能力が損なわれている▼今や、個々人の生命・財産は重複するいくつかの共同体(国際組織や他国)に委ねられているのに、デモクラシーは未だに国単位のまま。デモクラシーは「国家とその国民の間」だけに限らない。デモクラシーをグローバルな形で再建しよう。デイヴィッド・ヘルドHeld『デモクラシーと世界秩序』1995

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    2025年04月01日
  • 永遠平和のために

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    永遠平和のための3大要件:①常備軍をなくす、②各国における共和制採用、③国際社会における全ての人間の訪問権の確保

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    2021年01月26日
  • 永遠平和のために

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    ●常備軍は廃止すべき。軍事費増大は平和の方が戦争より重荷になる。自衛組織は前段階として必要
    ●国家が独立した単位で世界共和国を形成することが平和維持に望ましい。難しければ国際連合が代替物にあたる
    ●政治と道徳(宗教)は合致すべき。×道徳を政治に合わせる ○政治を道徳に合わせる
    ●政治が経験技術的問題になると、目的達成のための不正が横行する

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    2021年01月08日
  • 永遠平和のために

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    2019/01/21 読み終わった。
    永遠平和のためには、今現在戦争状態でないことに加えてら今後も起こる可能性が無い状態も必要だと、書いてあった。なるほどと思った。

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    2020年02月01日
  • 永遠平和のために

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    読んでいて、夏目漱石の私の個人主義を思い出した。
    根底にあるのは、自分がされて嫌なことは相手にしちゃいけないということだと思う。
    200年も前から平和についてなすべきことは論じられているにもかかわらず、混迷と複雑さは増すばかりだ。現代に生きていたら、著者は何と言うだろうか。

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    2021年08月08日
  • 永遠平和のために

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    ネタバレ

    1795年の本です。カントのこの考え方が、国際連合の元になったと言われています。


    難しい命題ではありますが、薄い本で手に取りやすく、よくまとまっていて読みやすいです。


    人が一緒に平和に生活するというのは自然ではなく、自然状態=戦争であり、だからこそ平和とは創設しなければならない
    という考えが元であり、甘い理想論ではありません。

    争いが起きる方が当たり前であり、「だから平和など意味がない」とするのではなく
    「永遠平和」を実現するために漸次努力し近づけていくものという思考は、
    闇雲に平和を叫ぶ現実的ではない平和主義者の思考よりも共感できました。

    軍があるということは、他国を戦争の脅威に晒しているということになります。ならば軍がなければ良いのかというと、自衛手段がなくては攻め込まれる隙を他国に与えることになり、戦争を呼び込んでしまいます。
    国を維持するというのは理想論だけでは当然運営できず、コストを考えての商業的な運営意識も必要になってきます。

    平和条約は実は休戦にすぎないというのはなるほどなと思わされました。
    「将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条約は、けっして平和条約とみなされてはならない。」。
    平和とは、永遠平和のためにはどうしたら良いのか。自分なりに考えて求めていきたいと改めて思います。

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    2018年01月22日
  • 永遠平和のために

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    興味深い作品ではありますが、如何にもモダンな進歩主義で自分の肌に合わなかったのでこの評価。あくまで古典であって、現役の思想ではないと感じました。
    なお、自分にとって初のカント作品なので、理解が足りていない可能性は大いにあります。

    国際的共同体が成立する必然性についての論証は、論理展開としては納得できるもので、瞠目します。
    しかし、前提となる民衆の理性に対する期待が過度であること、社会と法の善性に期待しすぎている(付属における公表性の原則とか)ことから、論理的ではあっても現実的ではないのかなと考えます。(もちろん今後成立する可能性もなくはないですが)
    この辺りは、絶対王政全盛期が終わり、フランス革命その他自由主義の潮流が盛り上がってきた時代の著作だからなのでしょう。

    あと、予備条項で、戦争抑止のための具体的手段と自由についての規範的主張(人間の手段化の禁止)が混在している点は、非常に気に入らないです。

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    2014年11月01日
  • 永遠平和のために

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    カント曰く「公法の先験的公式」から、公表性と一致しない政治的格率はすべて不正なのだそうですよ、安倍さん。

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    2014年06月19日
  • 永遠平和のために

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    その昔、哲学科卒の叔父が、小さかった私の枕元で読み聞かせをしていたものと聞いて読みましたが、叔父さん、これを2歳やそこらのガキによんでやってもわかんないよ。

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    2013年07月01日
  • 永遠平和のために

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    永遠平和について几帳面に語った書。

    机上の空論と一蹴されないために、批判をひとつずつ虱潰しにしていき、かつその根拠をあげていっている。

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    2012年08月31日