佐瀬昌盛のレビュー一覧

  • むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換―

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    [求められたアマチュア目線]文教族(注:いわゆる文部科学分野に強い議員のこと)として政治のキャリアを歩みながらも、1974年に防衛庁長官に就任すると、「防衛計画の大綱」 の策定や「防衛白書」の発刊などの大きな業績を成し遂げた坂田道太の足跡をたどった作品。就任当時は「素人」と自任した彼が、どうしてこのような改革を成し遂げることができたかの理由に迫ります。著者は、防衛大学校の教授も務められた佐瀬昌盛。


    防衛問題や自衛隊に対する一種の「タブー感」がとても強かった時代(本書でも何度も指摘されているように、今日では想像することすら難しいんですが......)に、 「でもそのタブーってよく考えればなん

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    2016年01月29日
  • むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換―

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     坂田道太といえば、明治期のようなまん丸眼鏡の風貌を思いだす。文部大臣にも起用された文教族議員が、防衛庁長官に任命され結構そこそここなしていた、との認識しか私はなかった。
     防衛庁長官になったのが1971年とそんなに昔だったのだ。その素人の業績たるや、基盤的防衛力構想、防衛計画大綱、防衛白書、ミグ25事件処理、などがあり、前3項は今に至る日本防衛戦略構想の確立という大仕事であると、本書を読んで知ることができた、
     軍事には素人かもしれないが、政治家としては課題の把握と解決策の立案実行、視野の広さ、雑音に惑わされない強い意志、あるべき姿に立脚する識見の高さ、など理想の人物ではないかと思うほどに描

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    2014年07月05日
  • むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換―

    Posted by ブクログ

    同じ内容の繰り返しと著書からの引用が多かったと感じられたものの、知名度の低い人で変わり者の評伝というのはなかなか当たりが多いがこれもそう。三木内閣期の防衛庁長官として防衛体制の転換などを図ったということだけど、政治家に珍しく韜晦しながら勉強しており好ましいことでこういう人は今いないけどまあ昔もおらんようで東大紛争時の文部大臣もやったとのことだし有能な人だったのだなあ。

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    2014年02月09日
  • むしろ素人の方がよい―防衛庁長官・坂田道太が成し遂げた政策の大転換―

    Posted by ブクログ

    三木内閣で防衛庁長官を務めた坂田道太の評伝。著者は、坂田は、防衛・安全保障の「素人」を自認しながら、「防衛計画の大綱」策定など、日本の防衛政策の転換を成し遂げたと評価している。
    坂田道太の存在は知っていたが、文部大臣のイメージしかなく、彼が防衛庁長官であったことすら知らなかったので、本書の内容は目から鱗だった。坂田道太が政治家として優れた資質を持っていたことが伝わってきた。
    国民に自衛隊の役割を理解してもらうことに心を砕いていたという点が印象的だった。行政(ここでは自衛隊)と国民をつなぐというのは、防衛大臣に限らず、国務大臣の役割として重要なものだと感じた。

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    2014年08月30日