中野雄のレビュー一覧
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ネタバレクラシックミリしらだったけどオケの違いが分かって面白かったです!
知性のかけらのない感想ですが。
ウィーンフィル:楽団員全てが自分の音楽を持っている。
全員の音と合わせることが出来るので、なんなら指揮者不要。
ベルリンフィル:楽団員の音楽の引き出しが多い。どんな指揮者でも合わせられる(言い過ぎ?)何もない指揮者が一番困る。
席次はない。コンマス以外は来た順!
ロイヤル・コンサルトへポー:一国の文化
音色が深い。色彩を音色に変える技術を持っている。
オケからみた指揮者の違いがわかって大変面白かったです。
ここから本の感想というか、そもそもクラシックについて。
日本民謡をメドレーにして管弦楽曲にしたものが日本人に受けないのは仕方のないことじゃないかな。
だって日本には日本独自の楽器があって、それで演奏されているのを知っているから、それをわざわざオケで再現しなくても、ていう気持ちが強かったな、聴いた時。
結局クラシックはヨーロッパの文化から派生してるわけだし、今スタンダードになってるのは帝国時代の名残だからじゃないか…と思っている。
日本独特の笛や太鼓が世界基準になったとき、君達どこまで再現できる?民謡だってその地域の歴史から派生したわけだし。
などと思うわけですよ。
クラシックがアニメやゲームの世界に使われてて嘆く記事も読んだことあるけど(本とは関係ない話)、元々音楽の歴史は宗教から始まってオペラや劇伴とした後音楽として独立したわけだし、それを「高尚なものを(そんなものに)」嘆く必要ないんじゃないかな。今やドラマや映画でも使われてるじゃないか。アニメやゲームを下に見る必要ある?
音楽を楽しむジャンルに高貴も下賤もないよ。
まあこれは学のない人の話なので、曲を深く理解していれば「こんなものに!」と嘆く気持ちもわからなくはない… -
Posted by ブクログ
作者の知識が豊富で固有名詞の登場が多く、本筋とは別の話も含まれるため、話の展開に慣れるのに時間がかかりました。
ですが一度慣れるとヴァイオリンの世界に引き込まれます。
134pより、ヨーゼフ・シゲティの演奏に対する作者の表現を読んだだけでもこの本を読んだ価値があったと思っています。
「ヴァイオリンの音色はぴんと張った純銀の糸のような緊張感を持ち、晩秋の霜を想わせるように厳しかった……禁欲の美学とでも評したいような独特の美しさが心に刻まれている」
ストラディヴァリ、そしてグァルネリの生涯について、またアマティやガスパロ・ダ・サロなどのヴァイオリンの生みの親たち。
ヴァイオリンに取り憑かれたコレクターたちなどの歴史を軽くさらうにはいい本だと思います。
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ベートーヴェンの入門書。 2020年は、ベートーヴェン生誕250年ということで、様々な行事が行われる予定だったが、コロナの影響で多くがキャンセルされた。 ファンにとっては残念な一年になってしまった。 この本は、ベートーヴェンの生涯と代表的な曲について考察したものであり、ざっくりと知りたい人には良い入門書だと思う。 自分もベートーベンの生涯については 、ロマンロランの本で読んだことはあるが、その後の研究で随分人物像が変わってきたらしい。 バッハやモーツァルトの時代と違って、より自分が作りたい音楽、大衆受けする音楽が求められ、その期待に応えたのがベートーヴェンだった。 この本には、自分が知らなかった事実や考察が簡潔にまとめられていて面白く読めた。 本文中で紹介されている曲は、ぜひ聞いてみたいと思う。
ちなみに初めて聞いたクラシックの生演奏は、ベートーベンの交響曲第3番だった。 九州大学管弦楽団の演奏で、その時のことはよく覚えている。本物の音をワクワクしながら聞いた。 弦楽器で弦が動いて音が出るのを初めて見てとても感動した。 -
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タイトルからすると硬い技術的な内容が書いているかと思ってしまうが、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、そしてアムステルダム・コンセルトヘボーの3つのオケの約100年に及ぶ歴史を遡るということは偉大な指揮者たちの生々しい実態と音楽のいかなる点が素晴らしかったのかが裏話を豊富に語られていく。実に楽しい。ウィーンではベーム指揮でブラームス第2番の第4楽章の途中に停電になったにも関わらず、暗闇の中で演奏が続き、完了!拍手喝采の中、ベームも上機嫌だったという実話。それほど指揮者が素晴らしかったということか。ウィーンの章ではバーンスタイン、小澤、アバド、ブーレーズ、マゼール…その他にも実に多くの指揮者が登場する。これに対してベルリンはほとんどフルトヴェングラーとカラヤン。フルヴェンがカラヤンを排除しようとしたが、カラヤンが強気の作戦で、終身という条件をベルリンに飲ませたという。カラヤンがフルヴェンとトスカニーニのリハーサル模様を陰で経験することで、2人から学んだということは驚きだった。そしてアムスはメンゲルベルク、ベイヌム、ヨッフム、ハイティンク、シャイーの音楽性の変遷の説明が面白い。この他にも楽しい裏話が満載だった。
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一般論として、対象は何であっても人は自分について書くことになるということ。ストラディヴァリについて2冊の本を続けて読んだせいか、改めてその視点の違いが作者の背景に依っていることを思う。中野氏の音楽に対する造詣、現役の演奏会とのエピソードが随所に挟まれていて、とても興味深く読むことができた。
この作品の嚆矢は、作者の中野氏が丸山眞男の弟子であり、丸山の発言を使ってストラディバリとグァルネリと言う、現代の技術をもってしても凌駕することができないバイオリンが作られた秘密に迫ろうとしているところにある。「ある時代の最先端を行くメディアには時代の才能が集まるんですよ、」
現代のヴァイオリン製作者たちの嘆きが聞こえてきそうだ。
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2大銘器といわれるストラディヴァリウスとグァルデリ・デル・ジェスの製作者たちの人物と時代(17世紀終わりから18世紀前半)・場所(イタリア・クレモナ)を探り、なぜ彼らの作品が銘器なのかを追究。このように木の材質、ニス、塗料、溶剤、形状、穴の形その他の多くの要素が重なって銘器が生まれているとの分析。銘器にはそれぞれ愛称があり、名演奏家たちの所有者歴が残っているのも面白い。2大銘器の音質の特徴も分かりやすい。2人の巨匠の他の人たちの中でも1550年ころにクレモナの町でヴァイオリンを発明したアマティー以来、ほとんど変化も進化もしていない!凄い大発明だ!紹介されている多くのエピソードも楽しい。ナチスのゲッペルスから諏訪根自子に贈られたストラディヴァリウスは実は偽物だった。1946年10月3日の帰朝演奏会において、それを絶賛する多くの声の中で、小林秀雄が書いていたという文章。「あのヴァイオリンは偽物だと思うね。あんな固い音が出てくるわけがない。18世紀のヴァイオリンの音は少しもでていない、イミテーションをもらったと思う。新しい木の音だ。可哀想な楽器だよ」(「直観を磨くもの」から)流石にすごい人だ!! この他にも諏訪内晶子のストラディヴァリウスとの出会いの話、ヒューブナーのホテルでの演奏音の話など、枚挙にいとまないほどの豊富なエピソードの数々だった。
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Posted by ブクログ
ちょっと筆致が淡々としててお堅い。文章がまるで報告書だな。
けど、ピアノ壊すベートーヴェンとか、同時に並行して何曲も作ってたベートーヴェンとか、コンサートの最中で演奏を中断させてやり直すベートーヴェンとか、ひげ剃りでケガするベートーヴェン(真偽は不明)とか、薄幸の人妻に恋してお金を送金し続けていたベートーヴェンとか(けど不滅の恋人はこの人妻じゃなかった説もあるらしい)、ナポレオンのせいでフランス人相手にドイツ語の歌劇やる羽目になって大失敗するベートーヴェンとか、作曲に行き詰まって水かぶるベートーヴェンとか、耳が聴こえないのにヴァイオリンの弓の動きを目で追って指示していたベートーヴェンとか、血を吐くベートーヴェンとか、悪魔様の乗る下等な乗り物(牛乳運搬車)で帰って寿命縮めるベートーヴェンとか、お腹痛くて苦しむベートーヴェン(かわいそう……)とか、シンドラーに口述筆記で手紙書かせるベートーヴェンとか、糖尿病で実は視力も悪かったベートーヴェンとか、痛風だったベートーヴェンとか、ワインを一日最低一本開けてたベートーヴェンとか、悪筆すぎてテレーゼがエリーゼと読み間違われたベートーヴェンとか、いろいろ知らなかったベートーヴェンに出会えて嬉しかった。
ほんっと、面倒くさいおじさんでどうしようもない人だったんだろうけど、やっぱりかっこいいなーーって思った。
あとベートーヴェンの曲を普及させてくれたリストも、ありがとう。 -
Posted by ブクログ
小澤征爾の歩んだ人生の軌跡から、普遍的な成功法則を見つけてみようというスタイルで書かれている。経歴を淡々と書いていくというスタイルよりは遥かに良いが、本書は著者の主観が強く出過ぎる嫌いがある。
そもそも、たった一人の人物の人生を追って、その成功の秘訣を探ろうとしても、結局それは後付けでそれらしく説明しているだけであり、一般化できるものではない。失敗した対象を見ずに、成功した対象のみを基準に判断をしてしまう「生存者バイアス」のかかった成功法則は、法則のように見えても法則にはなり得ないのである。
そういった法則を探ることは保留してみれば、小澤論として悪い出来ではない。小澤征爾に興味のある方は読んで損はないだろう。
小澤のそれぞれの時代の音楽性に対する評価・評判(演奏や音盤に対する評価など)を入れた方が、立体的に小澤像を描き出せ、読者は小澤征爾という音楽家をより理解しやすくなったのではないかという思いはあったが。
ちなみに私は、中野氏の著作は、本書でも何度も名前が出てくる「指揮者の役割」、「ウィーン・フィル 音と響きの秘密」を始め、「クラシックCDの名盤シリーズ」(新・旧含めすべて)、「モーツァルト 天才の秘密」など、ほとんどを読んでいるため、その文体、考え方に馴染みがあったが、初めて読む方は固いと感じるかもしれない。
小澤に関する本を初めて読むのであれば、読みやすく、世評も高い(ベストセラーで判を重ねている)、「ボクの音楽武者修行」を先におすすめしたい。