高沢治のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
法廷・密室ミステリの傑作として名高い本作、
中学の時にハヤカワで読んで以来の再読ですが、実は初読時はさほど感激もせず、むしろその後著者の作品と疎遠になるきっかけとなってしまった作品でした。
で、久々に再読してみたのですが…う〜ん…やはりあまりのめり込むことは出来ませんでした…
いや、ミステリとしてはよくできてるなと、やっぱり御三家は違うな〜などと感じます。
では、個人的に問題だったのかというと、それはお話の語り手が事件と何の関係もない第三者であることが大きな要因であるように思います。
そのため、単純な感情移入による読書では、どうしても物語にのめり込むことが出来ませんでした。
もし視点人物が、被告人、あるいはそれに近しい人物であれば、もっと印象が変わったように思います。それこそ、幻の女ばりのサスペンスが出たかもしれません。
ですが、これが著者のミスかと問われれば…それは違うのではないでしょうか。
むしろ、あえて感情を押し殺した作風にし、事件が解決される過程に読者を集中させるという、作者の意図を感じます。
そして今回は、私個人としてそれにイマイチ乗ることが出来なかったな〜、というのが実情でしょう。
ですから、月並みですが、合う人は合うし、合わない人は合わない作品、というのが私の個人的な感想となります。