谷口正次のレビュー一覧
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金属や穀物などの資源が場合によっては戦争まで引き起こすほどのものだと言うことは前々から知っていましたが、こうして改めてこういう本を読んでいうと、その事実がまざまざと突きつけられる思いがします。
『メタル・ウォーズ』の続編です。 この話はいまや穀物や水を始めとして地球上のあらゆる資源を食いつくさんまでに成長した巨龍、中国と『恐竜』に例えられた欧米の資源メジャーが世界中でレアメタルを奪ってまるで共食いさながらの血みどろの『資源争奪戦争』を繰り広げるさなか、今や「ニワトリ」と成り果てて彼らのおこぼれを啄ばむしかなくなった日本の大手商社についても書かれています。
いやぁ、これを読んでいて空恐ろしく -
Posted by ブクログ
【資源危機の原因】
①ここ数年,資源の「爆食」と国をあげて世界の資源囲い込みに狂奔する中国
②国際資源メジャーの喰うか喰われるかの激しい買収合戦と寡占支配の進行
③資源開発が行われる産出国の不安定要因
【日本の状況】
・日本の鉱山会社.住友金属鉱山は,素材産業に流れずに本流を守った.DOWAホールディングスは,都市鉱山のリサイクルに力を入れている.
・日本のものづくり体制.最上流の資源採掘は,国際資源メジャーや資源保有国.原・燃料資源は旧財閥系鉱山会社,鉄鋼精錬はマンモス企業であり,両者とも技術は最高水準.ところが部品製造は大手を支える中小企業群で,技術レベルは高いが脆弱な経営体質.製品製造 -
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きっかけは前に見たNHKの特集番組で「中国が世界中の金属資源を莫大に消費している」と言う内容を見たからでした。今はまじめに相場動向を見ていないからわかりませんが資源の争奪戦はこれからも続くでしょうね。
これを読んでいるときほどには僕はいまの商品相場の動向を丹念には見ていないので詳しいことはわかりませんが、この本を読んでいた当時の商品相場の価格は上昇の一途を辿っていた。日本経済新聞のマーケット欄にある『海外商品市況』を丹念に読んでいれば、その傾向は明らかである。僕が当時、金属資源の相場を見ていたときに出会ったのがこの本で、世界各国が資源を奪い合っているさなか、「ものづくり大国」を自認しながら何 -
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北朝鮮の鉱物資源開発に投資するのも将来的にはあり得る話かもしれないと思うようになってきた。でも多分日本は品格があり過ぎてこういうワイルドな仕事は難しいんだろうなーと思った。
よく報道されているストレート記事をより詳細に解説付きで著しているという感じの本で、色々と面白かった。銅だけではなく、メタル資源全般。
例えば、最近ちょっと話題になったBHPビリトン社によるリオ・ティントの買収提案が、結局はお流れになってよかった件で、もし合併されれば大変強い価格支配力になるため、中国はすぐに米国のアルコア社と組んでリオ・ティントの株を12%取得したが、一方日本は具体策は打たず、鉄鋼連盟の人が反対の意を表明し -
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著者の熱い主張がコンパクトにまとめられている箇所があったので、そのまま記載。
「20世紀半ば以降、無資源国として自他ともに認めるわが国であったが、21世紀も12年過ぎたいま、自国に必要な資源は自国でまかなうということが、まんざら夢でもなくなってきた。
しかし、無資源国と認識していながら、陸上資源の争奪戦には、ほとんど参戦することもせず、相変わらぬ商社依存を通して、レア・メタル、レア・アースで資源危機に見舞われている。しかも、太平洋がまさに、人類最後のフロンティアとしてゴールドラッシュの様相を呈してきている中、めざとい『金鉱掘り』のDNAを持った欧米の探鉱会社や、資源曝食・石油がぶ飲みと揶揄さ -
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最近ではよく知られるように日本の排他的経済水域(EEZ)の広さは世界6位、陸地面積と合わせると世界9位だ。海底資源は在来型の石油、天然ガスに加え、メタンハイドレート、マンガン団塊、コバルト・リッチ・クラスト、レアアース泥そして熱水鉱床と多岐にわたるものがこのEEZ内に存在する。ただし現在の所経済的に採鉱できる方法はまだ実現していない。元々日本の海底資源探索技術は世界のトップランナーだったのだが、熱水鉱床の調査は1985年〜2003年まで実施しその後08年までの間中止、マンガン団塊については1975年〜96年で終了等々一度資源は海外から購入すればいいと舵を切ってしまっていた。その間に元々技術レベ
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Posted by ブクログ
●人類最後のフロンティア、それは深海である。海の資源を目指せ!
・深海底を、英語、フランス語、ドイツ語は共通でアビスと言うが、この単語はもともと古代メソポタミアのシュメール語アブ・ツーからきたもので、シュメール語でただ一つ現代まで残った単語。
・旧約聖書の洪水が黒海地域であったことは考古学的事実。大変興味深いのは、この時代、世界的に海面を上昇させたフランドリアン海進、これは日本では縄文海進と関連付けられている。
・旧約聖書のエデンの園に関連させられているピソンとギホンは今はないが、地球探査衛星ランドサットによると、はっきりとこれらの川の跡が残っている。
・現代の考古学では、エデンの園はバーレー