片山一道のレビュー一覧

  • 骨が語る日本人の歴史
    日本列島の人間の歴史は、旧石器時代に始まり、案外長く、結構遠近感にあふれるダイナミックなものだった。用語の羅列性の中に埋没するのなく、事象現象の物語性に軸足を移してもらいたい。
    弥生人の多様性と地域性は、渡来人を含めてもっと評価しなおさないといけない。弥生に人口爆発があり、戦国時代並みの戦乱の時代が...続きを読む
  • 骨が語る日本人の歴史
    面白いと思いました。
    特に新しいことを知ったということはなく、
    他でも言われている内容だと思うのですが
    ただ、骨考古学という軸で考えるということが
    新鮮だと思いました。
    日本人とは、ということ、現代日本人の特異さ、
    さらに体型、身長、骨格、容貌というのは
    環境や活動範囲や摂取する内容等の後天的な
    ...続きを読む
  • 身体が語る人間の歴史 ──人類学の冒険
     人類学についての基礎的な話。
    筆者の言いたいことはまず、『人種』には全く意味が無いといういうこと。コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイドの違いは単に皮膚のメラニン色素の違いだけで、DAN的な違いは全くないとのこと。さらにこの違いは、住んでいる地域の環境によって影響を受けただけで、それ以外の違いはな...続きを読む
  • 身体が語る人間の歴史 ──人類学の冒険
    身体人類学の碩学による、人間の身体の特徴と特性の分析。人間は「考える足」である。よく移動し、よく食べ、よく遊び、好奇心旺盛で、セックス大好き。身体性からみれば人種なるものはほぼ無意味。むしろ「文化的」身体形質のほうが影響は大きい。人種という概念を構築したのが100年前の人類学であり、できあがった人種...続きを読む
  • 身体が語る人間の歴史 ──人類学の冒険
    人間はなぜユニークな種であるのか、日本からポリネシアまでを網羅し、特に身体の歴史を読みときながら、人間という存在の本質に迫ている。
    本書の中でも人類学が理系か文型かというくだりがあるが、単に人類学という学術的論考にとどまらず、そのクロスオーバー的思考が故か、文章としても結構楽しめる内容となっている。
  • 骨が語る日本人の歴史
    縄文人は顔の彫りが深く、浅黒い肌。弥生人は細目でのっぺりとした顔立ちで色白。そして弥生人が後から日本にやってきて、縄文人たちは日本の周縁的な土地へ追いやられた...
    なんてありえない!というのが本書の骨子。
    弥生人も縄文人も、どちらも日本列島の中で生まれた人たちで、グループとしての差より、社会階層の...続きを読む
  • 骨が語る日本人の歴史
    <目次>
    はじめに
    第1部  日本人の実像を探る
    第1章  旧石器時代人
    第2章  縄文人
    第3章  「弥生人」
    第4章  古墳時代人
    第5章  「中世人」・近世人・近現代人
    第2部  「身体史観」の挑戦
    第6章  旧来の日本人論の誤りをただす
    第7章  旧来の歴史観はどこが誤っているのか

    <内容...続きを読む