片山一道のレビュー一覧
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ネタバレ日本列島の人間の歴史は、旧石器時代に始まり、案外長く、結構遠近感にあふれるダイナミックなものだった。用語の羅列性の中に埋没するのなく、事象現象の物語性に軸足を移してもらいたい。
弥生人の多様性と地域性は、渡来人を含めてもっと評価しなおさないといけない。弥生に人口爆発があり、戦国時代並みの戦乱の時代があった。複顔の際には軟部組織に関する情報は復元できない。弥生人は前期、中期、後期でひとつの地域でも差が大きい。
縄文人は身長のわりに手足が長い、下肢が発達、出鼻大鼻、えらの張った受口。広く東アジアの大陸部から吹き溜まりのようにして集まってきて列島に適応し独特のユニークな縄文人が生まれた。
前半面白 -
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人類学についての基礎的な話。
筆者の言いたいことはまず、『人種』には全く意味が無いといういうこと。コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイドの違いは単に皮膚のメラニン色素の違いだけで、DAN的な違いは全くないとのこと。さらにこの違いは、住んでいる地域の環境によって影響を受けただけで、それ以外の違いはないということである。
さらに、ポリネシア人についての考察ではポリネシア人の体格がヘラクレスのように筋骨隆々の人が多いが、それは遺伝的に少ない食べ物で効率よく筋肉や骨を成長させることのできる資質を持った人たちが生き残ってきたという結論となっている。
この本を読んでからジャレド・ダイアモンドの名作「 -
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縄文人は顔の彫りが深く、浅黒い肌。弥生人は細目でのっぺりとした顔立ちで色白。そして弥生人が後から日本にやってきて、縄文人たちは日本の周縁的な土地へ追いやられた...
なんてありえない!というのが本書の骨子。
弥生人も縄文人も、どちらも日本列島の中で生まれた人たちで、グループとしての差より、社会階層の差や、地域差、個人差の方が大きいだろう、と筆者は言う。
本書の後半は、歴史観、特に現在流通している歴史区分への批判が中心。
確かに世界史は主に西欧の歴史と中国史。南米やオセアニア、中部以南のアフリカにはほとんど触れられないという指摘はごもっとも。
ヨーロッパや中国の「中世」の始まりよりなぜ日本の中 -
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<目次>
はじめに
第1部 日本人の実像を探る
第1章 旧石器時代人
第2章 縄文人
第3章 「弥生人」
第4章 古墳時代人
第5章 「中世人」・近世人・近現代人
第2部 「身体史観」の挑戦
第6章 旧来の日本人論の誤りをただす
第7章 旧来の歴史観はどこが誤っているのか
<内容>
人類学の先生による日本史への挑戦?ただ、化石人骨をつぶさに研究している著者の発言はとても重い。縄文顔や弥生顔はない(そうした二分論で日本人のルーツは語れない)。古墳時代は階層による骨の特徴に差異が見られる。生活習慣などに大きな違いがあったと考えられる(民族的な問題よりも現代人がここ50年でかつて