麻宮ゆり子のレビュー一覧
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30歳前後の男性4人の話であるが、それぞれの特徴をよく捉えていて面白い。
好き嫌いでいうと個人的に好きな物語である。
まず、敬語で旅する四人の男ってのが不思議で、成り立つのか、楽しめるのかが実に興味深かった。
いや、スッーと入り込んできたのに驚いた。
よくできている、というかこの四人に好感が持てる。
それぞれが四つの短編小説の主人公になっている。
敬語で旅する四人の男〜両親の離婚はとても複雑な事情だったことから母とは高校卒業後に会ってなくて、旅行というかたちで佐渡島に行く真島。
犯人はヤス〜離婚した妻の実家の京都へ行き、2歳の息子を連れて愛宕山に登る繁田。
即戦クンの低空飛行〜恋 -
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ひょんなことから旅をともにすることになった4人のアラサー男たち。
全員に共通するのは不器用で世渡りベタなこと。
微妙な距離感。噛み合わないところを何とか噛み合わせながらの4人の不思議な友情を育む旅を描く連作短編ヒューマンドラマ。第7回小説宝石新人賞受賞作。
◇
真島圭太29歳。会社員。母は圭太の高校時代に父と離婚して現在、佐渡に住んでいる。
その母に夏休みを利用して会いに行くつもりだということを、同僚で中高の先輩でもある斎木匡(30)に話したのが珍道中の発端だった。
旅行に誘われたと思い込んだ斎木が大学時代の友人の繁田樹(33)にも声をかけ、繁田も友人の -
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四人の女、それぞれ個性豊かでいろいろと苦労をしている。だからこそ人のことをよく見ている、そして痛みもわかる。
仕事の悩みや将来の不安はあるけれど、真摯な気持ちで仕事に取り組み、後ろを振り返らずに前向きな姿に潔さを感じた。
住宅メーカーの総務部長を務め、土曜の夜は新宿ゴールデン街でバーをしている水元闘子。
宅配便のドライバーの榎本千晴。
パン屋でバイトしている石井日和は、ドイツパンを作ることに力を入れている。
女と逃げた夫の清掃会社を大きくした会沢ひと美。
この4話の全てに登場するのは、斎木である。
規則正しい、幸福の象徴だからと水玉模様が好きでよく身につけている。
ひとことで言えば変わり者 -
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「登場人物に発達障害のある人がいる」と知って読んでみた初めましての作家さん。
「スーツケースの半分は」はアラサー仲良し女子4人の旅がテーマの短編集だったけど、こちらは知人以上友人未満の30代男性4人の旅。あとスーツケース~は海外旅行でこっちは国内旅行。「敬語で旅する」距離感が意外と良い。
みんな、過去にやり残したことや心残りと向き合ったり決別したりするために旅をしようと決意するんだけど、なんやかんやで最後は結局四人で旅してるという。
最初はそれぞれがどんな痛みを抱えているのかわかってないから軽い気持ちで読めたけど、読み進めて話の流れがわかってくるとじわじわ染み込んでくる。「即戦クンの低空飛行 -
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再読シリーズ。
自分のなかでの仏像ブームが来ていた時に読んだ記憶。
仏像修復師のお仕事を通じて、主人公が自分の今までとこれからを繋げていくお話。勿論、仏像や仏像修復に関しても興味深いところも。
改めて、修復師は芸術家じゃなく職人だというところに納得。オリジナルの仏像を作り変えるようなことをせずに、将来より良い修復方法ができたときのためにいつでも逆戻りできる方法を選ぶ。未来に繋ぐための職人で、そうして繋がれてきた縁で私たちはその当時に近い形で触れることができる。
仏像に対する思いと丁寧なお仕事、登場人物達の真摯な生き方が伝わるような、優しい文章とお話でした。