小野寺苓のレビュー一覧

  • 女の名前

    Posted by ブクログ

    岩手県南に在住する作家のエッセイ集。前半のエッセイを読むと著者の父母や祖母にまつわるテーマが多く、しかも、死にまつわる話が目立ち、身につまされ、深く考えさせられるのだが、後半になると綺麗なリズム感のある、さらさらと流れるような文章で日常を切り取ったようなエッセイが増える。前半のエッセイも良いが、後半のエッセイの方が好みである。

    自費出版ゆえに発行部数も少ない本書は、直木賞受賞作家の桜木紫乃の目に止まり、19年の時を経て文庫化されたようだ。

    本書を手にしたのは、何故か一関市内の殆んどの本屋に山積みされていたからで、読んでみるとその理由が分かる。殆んどのエッセイが、岩手県、或いは一関市に所縁の

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    2015年08月05日