白石朗・他のレビュー一覧

  • 夕暮れをすぎて

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    大好きなキングの短編集です。7編収録。大好きなキングがあの「9.11」を題材にしているなんて、それだけでどんなものか心躍らせて読み始めました。

    「ジンジャーブレッド・ガール」
    ローズマダー的な怖さ。追われる恐怖、逃げる女性。すごい緊迫感で次々読み止まらなかった。

    「ハーヴィーの夢」 、「パーキングエリア」、「卒業の午後」
    世にも奇妙な的な。しかし描写が緻密。

    「エアロバイク」
    すごくドキドキした。自分の体という工事現場でカロリーと糞の処理に働く4人の男たち。画家の想像の産物にすぎないはずだった彼らは、「ダイエット」によって自分たちの仕事を奪う「体の持ち主」に憤りを感じ始めていた。
    絵が

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    2011年09月27日
  • 夕暮れをすぎて

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    ネタバレ

    正直微妙な話も含まれてる短編集だが中編「ジンジャーブレッド・ガール」はガチ。

    幼い娘を亡くした痛手から立ち直れない女は、ある日ふと走ることに興味を持つ。何の脈絡もない行為ではあったが「取り憑かれたように」走り始めた。倒れるまで走る彼女を夫は理解できない。

    夫婦は「冷却期間」を設けることとなり、エミリーは父親の別荘がある島へ移った。

    普通に予想される展開としては、人々と触れ合い心の交流を果たすうちに傷が癒え、人生と前向きに付き合っていく決意を固めたところで夫と和解して終わりだろうが、そこはキング御大。まったくこちらの期待どおりにならない。

    エミリーは頭のイカれた殺人鬼に遭遇する。死体を発

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    2011年08月15日
  • 夕暮れをすぎて

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    短編集で、僕のお勧めは「ジンジャーブレッドガール」と「エアロバイク」。
    ちょうどジム通いを始めたせいか、ちょっぴり精通のあるストーリーです。

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    2011年06月12日
  • 夜がはじまるとき

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    キングの短編集です。
    久しぶりにキングの本を読みましたが、
    短編それぞれちがった怖さがあっておもしろかった。

    猫好きとしては、「魔性の猫」が一番怖かった。
    最後、電車の中で読んでて本を取り落としそうになったよ。。。

    「N」は、要するに強迫観念症でしょ、と思えるのだけど当事者にとってはそうではなく、好奇心の末、当事者の立場に立ってみるともう後戻りは出来ない。。。と

    「どんづまりの窮地」は。。。。
    キングってこういうの書いたら天下一品だよ。
    ランチしながらこれを読むのはおすすめしないです。

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    2010年10月12日
  • 夕暮れをすぎて

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    ひたすらに具象を積み重ねた質実な行間からしっかりとみずみずしい感傷が立ち上がる。今、自分はこの本と、とても人間的な何かを分かち合っているという思い。

    『ジンジャーブレッド・ガール』では筆力は最高潮に達する。非常にスピード感のある緊迫した文章に、「読んでいる」意識がすっかり飛んでいたほどだ。それにしてもまるで現在の自分の体験を実況しているかのような、具体的描写のうまさはすさまじい。私が文字を追う速度と、描かれている事件が進行するシンクロニシティも絶妙だ。この中編を読んだあとはしばらくの間、自分の些細な行動を頭の中で詳細に実況してしまう癖がついてしまった。

    ストーリー的には、どの作品も起承転結

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    2010年07月13日
  • 夜がはじまるとき

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    面白かった。

    「ニューヨークタイムズを特別割引価格で」が
    好きだったかな。

     内容もだけど、一話ごとに訳者が違い、翻訳によって
    こんなに違うんだと思った。表題の話が一番読みづらかった。

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    2010年02月03日
  • 夜がはじまるとき

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    久々のキング短編集、後編。巻末には「今日の早川さん」出張版収録。
    キング作品は、長編だと本当に長いことがあるから、このくらいがちょうどいい気がします。
    ただ、今作はラインナップがイマイチパッとしなかったかな。

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    2010年02月01日
  • 夜がはじまるとき

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    分冊短編集の後半。「N」★★★ラヴクラフトにも通じる、別の次元からの侵入してくる物と強迫神経症的に精神が壊れて行く過程をからめた恐怖。他人と共有する事ができず自分で抱え込むことで問題はどんどんふくらんでくる。これって早めに誰かを巻き込んでいたら問題そのものが成立しないのでは???でも、逆にタイミングを外してしまうことは日常的によくあることか・・・おそろしい「魔性の猫」★★ストレートに恐ろし〜猫「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」★★★★9.11の影響を受けたと思わせる飛行機事故が生み出した切なくも不気味なお話。親しい者の死と直面した時の感情の切り出しかたが見事です。「聾唖者」★★★公金横

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    2011年07月15日
  • 夕暮れをすぎて

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    キングの割りにはひっそりと出版されていました。気付かなかった・・・再開したダークタワー・シリーズがあまりにつまらないので少しキングから離れ気味だったのですが、この短編集(第2分冊もあるとのこと)は面白い!しみじみ幽霊話から、これでもかっ、の殺人鬼からの脱出、自分のしょうもない夢、9.11後をテーマにした作品など多彩。短編の書き方を忘れたなんて嘯いてますが、昔の短編集より断然面白くなっています。著者の作品はホラーといわれていますが、ホラー的には怖くない。でも、ちょっとした不安感もキングにかかれば、虫眼鏡で見るように拡大して、とてもグロテクスクな世界として描き出されてしまうし、遠くの大災害や事件も

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    2011年07月15日
  • 夕暮れをすぎて

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    「偶然に偶然が重なれば、誰がどこに行くことになるかわからないし、何をすることになるかわからないんだから。」


    長旅に備えて、空港で買った本。
    余韻も重厚な雰囲気も特に必要としてない、単純に読み物が欲しいときに、キングの短編集に手を出すことが多いけど、今のところ失敗した!と思ったことはない。これもそう。
    日常的な世界から、キング独特の世界に足を踏み入れる時のテンポが好き。
    本格的なホラーやSFファンタジー、もしくはグリーンマイルとかスタンドバイミーなんかの感動作で知られてるけど
    短編は、そのあっさり加減がまた美味です。

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    2009年10月07日
  • 夕暮れをすぎて

    購入済み

    やっぱり、キングは長編のほうが圧倒的に面白い。短編だともっとキレのある作家のほうが読んでてドキドキする。
    これは次はどうなるのかなと思ったらもう終わりみたいなのが多くて、キングだから期待してしまう部分があったから尚更あれ?って感じでした。

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    2023年04月25日
  • 夜がはじまるとき

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    何かわからない恐怖が(非現実的)であったとしてもすごくリアルに書かれていてもし自分だったらと考えてしまった。

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    2022年10月04日
  • 夕暮れをすぎて

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    著者初読み。
    短編と中編が収録されている。
    ジンジャーブレッドガールというサイコホラー系の話が1番面白かった。読むにあたり、サスペンスとミステリーの違いについて、ミステリーは犯人が誰か、なぜそんなことをしたかということに重点を置き、サスペンスは犯人がどのように相手を追い詰めていくか、もしくは主人公がどのように犯人に追い詰められていくかという「様」を描くものだとどこかで読んだことが、はっきりわかる作品だった。そういう意味では普段ミステリーばっかり読んでいる自分にとって初サスペンス小説となった。

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    2022年09月08日
  • 夜がはじまるとき

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    初めてのキング
    切ない話、奇跡の話、怪異譚、胸糞悪い話と様々な短篇集
    『ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で』が好きだった

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    2022年09月06日
  • 夜がはじまるとき

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    ネタバレ

    短編集。
    『N』はわかったような、わかんないような。
    他は、まあそこそこ楽しめた。
    なかでも、色々な意味ですごいのが『どんづまりの窮地』。すごいというか、気色悪いというか、ゲンナリというか。
    こんな小説を書けるのは、キングしかいないだろう。まさに面目躍如。

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    2021年11月09日
  • 怪奇疾走

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    どれもいい感じなのだがどうしてもキング御大と較べてしまうところがある。あと短編なので尻すぼみな話も多い。

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    2021年08月23日
  • 夜がはじまるとき

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    原著2008年刊行、比較的新しいスティーヴン・キングの短編集。収録された6編ともホラー・オカルトの系譜に属する(ファンタジーっぽいものもある)。
    この中では「N」「魔性の猫」「どんづまりの窮地」が印象的だった。
    巻頭の「N」は強迫性障害の症例報告のスタイルで、いつもとは違うメモ書きの文体で始まるために違和感があったが、最後の部分でいつもの、主体のモノローグを組み込んだ生々しい文体に戻る。内容はちょっとラヴクラフト風かもしれない。
    最後の「どんづまりの窮地」はなかなかスカトロな光景がおぞましく描かれるので、上品な方は読まない方が良いかもしれない。
    いったいに、キングは『ペット・セメタリー』辺りを

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    2020年10月24日
  • 夜がはじまるとき

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    ネタバレ

    どの短編も人物が生き生きとしていて印象に残る。特に面白かったのは「魔性の猫」と、最後に収録されている「どんづまりの窮地」。

    「魔性の猫」は人間の殺し屋vs猫の殺し屋の車内での攻防がスリリングに描かれている。
    中でも猫が口の中に押し入ってくるシーンがまさかの展開で怖すぎた。
    「どんづまりの窮地」は綺麗な話ではないが地獄から這い出したあとの展開にスッキリした。風呂に乱入するシーンのやりとりは見ものだ。

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    2020年09月15日
  • 夜がはじまるとき

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    短編集。アメリカでは1冊のものを2分冊にしている。

    複数の手記を組合わせる形式をとったクトゥルー神話風の「N」。解説によるとキングには直接にクトゥルー神話に題材をとったものは少ないそうだが、前にも短編で1つ読んだことがあったな。

    超自然的なものは何ひとつ出てこないが身の毛もよだつ描写の「どんづまりの窮地」。

    あいかわらず実にうまい。

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    2018年11月05日
  • 夜がはじまるとき

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    まァ、面白かったのだけれど、短編集にしては読み辛くもあったな。なんでだろう。一番気に入ったのは救いのある話の「アヤーナ」。「どんづまりの窮地」は、いままでもフェスやら観光地やらに行って仮設トイレを使う際に感じていた不安感というか嫌悪感を具体的な形にしてくれちゃったワケで、これからその手のトイレを使う際には必ず反芻してしまうこと請け合い。マイッタな。TOTOやINAX等日本のトイレメーカーの皆さん、日本のトイレは世界一キレイみたいなので、仮設トイレも「どんづまりの窮地」が笑い話になってしまう位、どうかひとつよろしくお願いしますよ。じゃないと、トイレに行けなひ。です。

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    2015年01月24日