高橋まり子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アンティークに絡むコージー・ミステリの新シリーズ。
まじめな雰囲気です。
ジョシー・プレスコットは、アメリカはニューハンプシャーの港町ポーツマスでオークションハウスを営んでいます。
家財を鑑定したばかりの老人が事件に遭い、警察に尋問されることに。
思わぬ事件に動揺するジョシー。
実はかってニューヨークの大手で働いていましたが、そこで痛い目を見た経験が。
正義感から不正を告発したところ、誰にも話しかけられなくなり、辞職に追い込まれたのです。
その後最愛の父をなくし、恋人とも別れ、仕事を立て直すまでに数年かかった様子。
老人の屋敷にあった名画が行方不明になっていて、絵画とアンティークの知識が必要なために、警察から協力を求められます。
正義感の強いヒロインという設定で、でもやたらに無謀な行動をするようなことはなく、着実な展開にほっとします。
その分、にぎやかな楽しさは少なめかもしれないけど。
過去のトラウマから涙もろくなっているのがちょっと、なんだけど、本当は経営者としてやっていけるしっかり者のよう。
警察署長のタイロン・アルヴェレスは40歳ほどで、どうやら釣り合いそうな‥
信頼関係がこれから順調に築かれていくようです。 -
Posted by ブクログ
献本でいただいた1冊となります。
アメリカはニューハンプシャー州を舞台とした、
アンティーク×ミステリーな内容、シリーズ第1弾のようです。
主人公はオークションハウスを経営するジョシー、
元はニューヨークで働いていたのですが、、
とある事件がきっかけで都落ち同然にこの町に。
最愛の家族も亡くし、精神的にもなんとも不安定。
そんな彼女が、仕事や現実と必死に向き合い、
立ち直ろうと悪戦苦闘している最中、一つの事件が起きます。
出張鑑定の約束をしていた一人の老富豪が自宅で殺され、
当日打ち合わせの約束をしていた彼女も容疑者の一人に。
最初は警察などに囲まれるその恐怖に、
ただ打ち震えるだけであった彼女ですが、、
一つ一つと向き合い、心を奮い立たせ、自分と向き合い、
結果的には様々な“過去”も乗り越えていくことに。
主人公の感情の振幅の大きさに、少々戸惑いを感じながらも、
ググッと引き込まれて、一気に読んでしまいました。
アメリカ社会における弁護士の位置付けや、
“骨董品(アンティーク)”市場の実情なども興味深く。
日本だとどこか有閑な趣味といった感も強い“古物”ですが、
向こうではもっと生活に根付いているような、そんな印象も。
ただ物語は、そんな身近な雰囲気から一転して、
戦時中のナチスによる絵画強奪にまで幅広く。
マティス、セザンヌ、そしてルノアール、
殺人の動機としてはいずれも申し分なく、、
それでは“犯人”は、、結構王道な顛末でした。
ラスト、一つの恋の始まりを予兆させる内容もあり、
働く女性の物語としてみても面白く、続きも気になりますね~
しばらく手元に残しておこうと、そう感じた1冊です。 -
Posted by ブクログ
オークションハウスを経営する女性ジョシー・プレスコットが主人公のシリーズ2作目。
前作を読んでいませんが、問題ありませんでした。
チャリティイベントの席上で主催者の女性が毒入りワインを飲んで死亡する事件。主人公のすぐ側、多くの人がいる中での毒殺という大胆な犯行です。
観衆の中どうやって毒を混入したのか?誰が成し得たか?という謎に当然なるわけですが、被害者にトラブルがなかったことから、犯人の本当の狙いはジョシーだったのではないかという見解に捜査が傾き、彼女に次々と災難が。
どうやらジョシーはシリーズ前作でいろいろとあり、悪い意味で目立ったようでしたが、その後実際に車で襲われたり、盗難に逢ったりと、彼女が狙われているという説が濃厚になり、疑心が膨らむあたり読者を惑わせてくれました。
犯人はジョシーの周囲にいるのか?はたまた被害者女性に何か隠されているのか?このふたつの線が交錯して複雑になっていきます。
犯人は意外性がありましたが、判明の仕方はあっさりしていると感じました。しかし、それまでジョシーがかなり丁寧に事件のときの事を思い出し、怪しい人物をひとりひとり潰していったからこそ説得力があり、これまでの展開が一つの真相に結実するのは見事。
全てが解決したという爽やかさはなく、不気味な余韻が残るラストも印象的でした。
陰鬱とした雰囲気があるものの、ジョシーの真っ直ぐな姿が気持ちよく、ラストも切なくも良い気分で終われたと思います。
本書はこのジョシーという一人の女性の物語も見所です。自分が何者かに命を狙われているかもしれないという恐怖、疑心に苛まれるものの、持ち前の用心深さと行動力で困難に真正面から対峙する真面目で強い女性。
しかし、そんな強さは自己保身の表れでもり、真面目さは融通の利かなさでもあります。家族も既になく、親しい友人も作れず、仕事一筋に生き、孤独を抱える姿には胸が痛くなりました。
攻撃こそは最大の防御と言わんばかりの執念をみせるたくましさと同時に、攻撃態勢で怯えるような脆さも見える等身大の女性の姿が好感。
隣人との交流には泣けました。恋人との相手を思いやるがゆえのすれ違いも切ない。
時々、天の導きのように思い出されるジョシーの父親の言葉も、含蓄に富んでいておもしろかったです。