もともと自動車の「自動」とは、自動運転の「自動」ではなく、「自らが自由に、いつでも、どこへでも、自分の好きな時に、動き廻れる」ものであった。昨今では、「自動」には、人間の指示なく「自動」で運転できるという意味が持たされているのではなかろうか。自動運転のレベルには5段階あり、レベル5は完全な自動運転で
...続きを読むあるという。自動車メーカーはレベル1から段階的にレベル5まで上げていくロードマップを掲げている一方、グーグル等のIT企業はいきなりレベル5を目標に研究を進めているという。自動運転の車の普及により、免許の返納が求められる高齢者であっても自動車に乗ることができるようになる、自動車を所有するというよりは共有するようになり、新たなビジネスが産まれる可能性がある等の明るい未来が待っている。ただし、これらの実現には技術の進歩、GPS等の位置情報やIoTセンサ等のインフラの整備に加えて、倫理面の解釈の進歩も求められる。例えば、自動運転中の事故の責任や、飲酒運転の可否等が挙げられる。本書を読んでいると、それほど遠くない未来には自動運転が可能な自動車が普及するように感じられる。そのような未来が早期に到来することに期待したい。