斎藤充功のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2025.08.19
まずわわかること。
いま、トランプとプーチンの会談を受けて、ウクライナのゼレンスキーとトランプの会談の結果が報じられている。
残念ながら、ロシア、ソ連、そしてロシアはまったく信用がならないということが、このノンキャリアの優れた外交官の悲劇を通じてよくわかる。このままでは、アメリカとロシアの都合だけで、ウクライナはむしり取られ続け、蹂躙され続ける。
次にわかることは、いわゆるキャリア官僚がどれだけ自分の都合だけでノンキャリアの優秀な人をしゃぶりつくして、最後は見捨てるという人々なのかがよくわかる。宮川氏はキャリアの試験の受験を自分の所属する外務省に邪魔され続け、挙げ句の果て -
Posted by ブクログ
戦前のノンキャリア外交官、宮川舩夫の生涯を追った1冊。ソ連との外交交渉の実務的な要とも言える人物で、戦後はソ連により拘束・獄中死した。
宮川に関する記述自体は遺族が残した膨大な資料によって充実したものとなっている。特に若い頃に関しては当時の家制度や外務省キャリアルートの実態を知ることができる貴重なものだろう。
ただし、遺族の資料ではなく本人の著述部分になると恐ろしく「浅い」。
まず宮川の生涯を補完するための歴史事象の引用が殆どジャーナリスト出身の「歴史家もどき」ばかりなのがいただけない。半藤一利はまだともかくとして、ソ連の出す資料は批判的論考を全く加えず鵜呑みにする保坂正康をソ連が深く関わる本 -
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Posted by ブクログ
内容(「BOOK」データベースより)
時代を感じさせる一枚の「古写真」―西洋の親子を中心にその周囲を取り囲む44人のサムライたち。この写真は「フルベッキ群像写真」と呼ばれ、歴史ファンの間では“謎の写真”とされてきた。曰く―この写真は、西郷隆盛、大久保利通、中岡慎太郎、坂本龍馬、伊藤博文などの幕末の英傑たちが秘密裏に集まって撮影された歴史的な一枚である。曰く―この写真には、後に明治天皇と“すり替わった”大室寅之祐という青年が写っている。一枚の古写真が投げかけた謎を追い求めた筆者がたどり着いた真実…今、すべての謎が明らかになる…!
日本史に疎い私でさえ、この写真の名前入りのものを見たらわくわくが -
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幻の特務機関「ヤマ」の名称は何に由来するのか。 それは「山」と言えば「川」のヤマからとられた。ふざけてるわけではない。ただの秘匿名だから正式名称は違うし、そもそもそんな機関は存在しないのが表向き。
「ヤマ」は陸軍大臣直轄の防諜機関だったため、国内で諜報活動をするスパイを捕らえることに活動の主眼があった。
「ヤマ」の活躍により逮捕にいたった最大のスパイは、誰もが知るゾルゲだ。ゾルゲを逮捕したのは憲兵隊ということになっているが、電波探知のプロであった「ヤマ」の人間による執拗な調査、そして登戸研究所によって開発された新装備によって初めて可能にだった。
ゾルゲ事件についての本を読んだことが -
Posted by ブクログ
「塀の中の事情」とあわせて、朝日新聞の書評で見かけたので読みました。
こちらは、取材のすべてをここに記載している、裏を返せばちょっと取材もとが限られている、という印象を受けました。自分もしてきたような1回限りの見学記・インタビューを並べたものより、せっかくなら、出所者のその後等、まとまった期間、継続的な形で生活を取材したようなものが読みたかったです。
特に知らない話で面白かったのは、出所者の社会復帰のための民間事業を行っている人へのインタビューでした。受刑者専門の求人誌を発行している女性。出所者支援といっても対象・強みはいろいろであり、この女性の言う通り、出所者支援の組織・事業が横断的に連携で -
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Posted by ブクログ
書名は『開戦通告はなぜ遅れたか』だが、これに対する答えはあくまで憶測だ。
簡単に要約すると、野村大使が開戦通告を届けるのが遅れた原因は、ある日本人の葬儀に出席していたため、その参列の席から外れることができずに結果として遅れてしまった、というもの。
そんなアホな理由があるかいな、とツッコミたくもなるが、日本側にも米国側にも、開戦通告を遅らせたい思惑があったというのが著者の主張。
つまり遅れたのではなく、わざと遅らせたというのだ。
開戦時の首相、東條は戦争の常道は「夜討ち朝駆け」という考えを持っていて、真珠湾も不意打ちを当初から意図していた。宣戦布告などは奇襲が成功した後にすれ -
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