斎藤充功のレビュー一覧

  • 消された外交官 宮川舩夫(小学館新書)

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    2025.08.19
    まずわわかること。
    いま、トランプとプーチンの会談を受けて、ウクライナのゼレンスキーとトランプの会談の結果が報じられている。
    残念ながら、ロシア、ソ連、そしてロシアはまったく信用がならないということが、このノンキャリアの優れた外交官の悲劇を通じてよくわかる。このままでは、アメリカとロシアの都合だけで、ウクライナはむしり取られ続け、蹂躙され続ける。
    次にわかることは、いわゆるキャリア官僚がどれだけ自分の都合だけでノンキャリアの優秀な人をしゃぶりつくして、最後は見捨てるという人々なのかがよくわかる。宮川氏はキャリアの試験の受験を自分の所属する外務省に邪魔され続け、挙げ句の果て

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    2025年08月19日
  • 消された外交官 宮川舩夫(小学館新書)

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    突然メールが、、、「消された外交官 宮川舩夫」を読んで、400字で引用し、その理由を400字で書けという、、、佐藤優さんが出られるオンライン講座の課題だった。
    まさか、課題があるとは、、、ただ、思っている以上に面白かった。
    佐藤さんの講座のコメントの中で印象的だったのは、「宮川氏は、民衆は見えていない。という点に関しては知っておくべきだ」ということ。民衆を離れての国家はないことをよく知っておくべきだと思った。

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    2025年07月19日
  • 消された外交官 宮川舩夫(小学館新書)

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    戦前のノンキャリア外交官、宮川舩夫の生涯を追った1冊。ソ連との外交交渉の実務的な要とも言える人物で、戦後はソ連により拘束・獄中死した。
    宮川に関する記述自体は遺族が残した膨大な資料によって充実したものとなっている。特に若い頃に関しては当時の家制度や外務省キャリアルートの実態を知ることができる貴重なものだろう。
    ただし、遺族の資料ではなく本人の著述部分になると恐ろしく「浅い」。
    まず宮川の生涯を補完するための歴史事象の引用が殆どジャーナリスト出身の「歴史家もどき」ばかりなのがいただけない。半藤一利はまだともかくとして、ソ連の出す資料は批判的論考を全く加えず鵜呑みにする保坂正康をソ連が深く関わる本

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    2025年07月11日
  • 「フルベッキ写真」の暗号

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    幕末の歴史本というよりは推理小説。でも、フルベッキ写真の胡散臭さを論理的に暴いたり、明治天皇すり替え説に含みを持たせたり、なかなか面白くて一気に読破。大室寅之祐かどうかは別として、薩長と岩倉が都合よく利用するために天皇をすり替えた説に一票。

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    2022年11月14日
  • 「フルベッキ写真」の暗号

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    内容(「BOOK」データベースより)
    時代を感じさせる一枚の「古写真」―西洋の親子を中心にその周囲を取り囲む44人のサムライたち。この写真は「フルベッキ群像写真」と呼ばれ、歴史ファンの間では“謎の写真”とされてきた。曰く―この写真は、西郷隆盛、大久保利通、中岡慎太郎、坂本龍馬、伊藤博文などの幕末の英傑たちが秘密裏に集まって撮影された歴史的な一枚である。曰く―この写真には、後に明治天皇と“すり替わった”大室寅之祐という青年が写っている。一枚の古写真が投げかけた謎を追い求めた筆者がたどり着いた真実…今、すべての謎が明らかになる…!

    日本史に疎い私でさえ、この写真の名前入りのものを見たらわくわくが

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    2018年03月26日
  • 「フルベッキ写真」の暗号

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    フルベッキ写真と明治天皇すり替え説、

    二枚のフルベッキ写真、

    伊藤博文の暗殺事件、伊藤が孝明天皇暗殺の下手人との指摘、

    昔の身分に返しますぞ、西郷に叱られた明治天皇

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    2017年03月28日
  • 明治天皇“すり替え”説の真相 近代史最大の謎にして、最大の禁忌

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    明治天皇のすり替えはあったのか?フルベッキ写真の真相は?ということで、落合氏と斎藤氏の対談を交えながら、それぞれの主張が展開されていきます。

    すり替えはあったとする点では共通ですが、それが大室寅之祐であったかどうかとか、フルベッキ写真の青年は誰なのかという点で、2人の主張は微妙に異なります。
    共産主義的視点ではなく、純粋に知りたいという欲求に押されて、最後まで興味深く読めました。

    落合の思考は多量の裏資料を元に構成されているようですが、その資料は公でない点に落合史観の真髄があるように感じました。

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    2016年04月09日
  • 「フルベッキ写真」の暗号

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    ネタバレ

    いわゆる「フルベッキ写真」はニセモノとする考え方。やっぱりそうかと納得できる部分もあった。加えて明治4年に盗撮された明治天皇の写真と明治5年に撮影された写真が別人に見えるというのも面白かった。

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    2015年02月21日
  • ―昭和史発掘―幻の特務機関「ヤマ」

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     幻の特務機関「ヤマ」の名称は何に由来するのか。 それは「山」と言えば「川」のヤマからとられた。ふざけてるわけではない。ただの秘匿名だから正式名称は違うし、そもそもそんな機関は存在しないのが表向き。


     「ヤマ」は陸軍大臣直轄の防諜機関だったため、国内で諜報活動をするスパイを捕らえることに活動の主眼があった。
     「ヤマ」の活躍により逮捕にいたった最大のスパイは、誰もが知るゾルゲだ。ゾルゲを逮捕したのは憲兵隊ということになっているが、電波探知のプロであった「ヤマ」の人間による執拗な調査、そして登戸研究所によって開発された新装備によって初めて可能にだった。
     ゾルゲ事件についての本を読んだことが

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    2017年08月15日
  • 日台の架け橋・百年ダムを造った男

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    東洋一の潅漑ダムを完成させ、台湾の不毛の大地に命を吹き込んだ男、八田與一の伝記である。戦前のテクノクラートの生き様は読んでいて楽しい。
    何かと批判されるダムであるが必要なものもある。当時は公共事業が必要とされ、しかも投資効果の高かった良き時代であった事がわかる。感情的な批判論が幅をきかせている世の中、もっと冷静に考えたらどうなのとTVを観ていて思います。

    本書は写真が多いのも嬉しい。

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    2013年03月07日
  • ルポ 老人受刑者

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    横浜は神奈川県社会福祉会館にある神奈川県委託事業神奈川県地域生活定着支援センターという制度を知らなかったので勉強になった。

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    2023年11月28日
  • ルポ 老人受刑者

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    「塀の中の事情」とあわせて、朝日新聞の書評で見かけたので読みました。
    こちらは、取材のすべてをここに記載している、裏を返せばちょっと取材もとが限られている、という印象を受けました。自分もしてきたような1回限りの見学記・インタビューを並べたものより、せっかくなら、出所者のその後等、まとまった期間、継続的な形で生活を取材したようなものが読みたかったです。
    特に知らない話で面白かったのは、出所者の社会復帰のための民間事業を行っている人へのインタビューでした。受刑者専門の求人誌を発行している女性。出所者支援といっても対象・強みはいろいろであり、この女性の言う通り、出所者支援の組織・事業が横断的に連携で

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    2020年08月07日
  • ―昭和史発掘―開戦通告はなぜ遅れたか

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     書名は『開戦通告はなぜ遅れたか』だが、これに対する答えはあくまで憶測だ。

     簡単に要約すると、野村大使が開戦通告を届けるのが遅れた原因は、ある日本人の葬儀に出席していたため、その参列の席から外れることができずに結果として遅れてしまった、というもの。
     そんなアホな理由があるかいな、とツッコミたくもなるが、日本側にも米国側にも、開戦通告を遅らせたい思惑があったというのが著者の主張。


     つまり遅れたのではなく、わざと遅らせたというのだ。


     開戦時の首相、東條は戦争の常道は「夜討ち朝駆け」という考えを持っていて、真珠湾も不意打ちを当初から意図していた。宣戦布告などは奇襲が成功した後にすれ

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    2017年08月15日
  • ―昭和史発掘―開戦通告はなぜ遅れたか

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    ネタバレ

    歴史研究家よりもノンフィクション小説作家になった方が良いように思う。史料の発掘や資料の援用はうまいのだが事実とする裏付けが決定的でないため仮説の域を脱しきれていない。前作のような資料の読み込み不足は無いように思えるが、それが頭の片隅にあるせいか・・・。

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    2014年11月19日