ドSな小学生「霧児哉貴」とドジな神様「国之久比奢母智神(くにのくひざもちのかみ)」(=通称「マロ」)との交流を描いたギャグマンガ。
少しうがった見方をすると、おおよそ「マンガ」には2種類ある。それは『ウィキペディア』に項目があるマンガと、そうではないマンガだ。書店で見かけるマンガをインターネットで調べてみると、大体の場合はトップの方に『ウィキペディア』がヒットする。僕も、そこに書かれるあらすじなどを参考にすることが多いが、一方で『ウィキペディア』がヒットせず、その概要をつかむのに少し苦労するマンガも存在するわけだ。本作も、そんなマンガの一つである。
もちろん、書店に平積みされるような「ヒットマンガ」は全体から見れば一握りであろう。しかし、ここでは『ウィキペディア』の項目にあるマンガとそうでないマンガのどちらの数が多いのか、『ウィキペディア』に項目があることがいかにスゴイことなのか、といったそんなことを論うつもりは毛頭ない。肝心なのは『ウィキペディア』に項目がないことによって、あとに残らなかったり、人々の目に触れない作品が多くあるだろうということだ。ちなみに、ここでいう『ウィキペディア』とはいわば象徴であって、それ以外の観点から「メジャー」と「マイナー」を区別したって構わない。
本作はどこから見ても「マイナー」なマンガである。いわゆる「町の本屋さん」で探してみても、本作はなかなか見つからない。僕も最終的にはネット通販のお世話になった。
しかし、本作はとても面白いのである。初めこそ、やや過激な「下ネタ」があり、その方向性が危ぶまれたが、巻が進むごとに「イイ話」も増え、それこそ子どもたちに読んでもらいたいとさえ思える話だって存在する。ギャグの内容にも、思わず「クスッ」としてしまうことがあったし、個性豊かなキャラクターたちもかわいらしい。
おそらく本作は「後に残らない」。ただただそれが、残念であり、なによりもったいない。
【巻数】全3巻
【掲載誌】月刊COMICリュウ、けもも
【連載年】2011年~2013年