取材写真を漫画風に変換したコマ割りが、小学校の社会科の副読本のようだった。鉄道を描くのは大変で、駅や車両なら理解できるが、レストランで出された食べ物まで変換されたのは手抜き感が否めない。本作品の多くが過去の鉄子で訪れた場所の再訪で、横見氏のネタの枯渇と体力の限界を感じ、作画のことを言うまでもなく、鉄子終了はやむを得ないだろう。作者の意向でセリフを極力排除した三陸鉄道の話は、エピローグとしてとても良い雰囲気だった。東日本大震災からの復旧後に、台風被害、そしてコロナ禍と厳しい状況だが、三鉄を応援したい。