清水正之のレビュー一覧
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難解書。いったり来たりしながら、読みつないでいかねばならない。
冒頭にも、日本思想史とは、哲学のなのか、歴史学なのかという問題提起がある。
本書がとる視点から、選択ー受容ー進化としての思想史であるという説明がなされている。
幾度となく、海外からの思想の流入、その受容と、国内での進化、その繰り返しである。
古代とは、上古から平安まで、中世とは、鎌倉から、安土桃山まで、近世は、江戸、近代は、明治大正と戦中の昭和まで、現代は、戦後の昭和以降である。
<古代>
・日本思想史は、古事記をもって始まる。それ以前は、中国正史に残された倭の記録を推定する。
・古事記と日本書紀、本居宣長は、古事記を日本古 -
Posted by ブクログ
500ページ近くある新書としては、かなり分厚い感じの本。
でも、2分冊にわかれてなくて、1冊で、古事記の神話から、万葉集、仏教伝来、王朝文学、神道、鎌倉仏教、芸道、キリスト教伝来、儒教思想、国学、明治の啓蒙思想、デモクラシー、超国家主義、戦後民主主義、現在の思想の多様性までを一気にレビューできて壮観だし、爽快。
当然、トピックごとの記述は薄いのだけど、一人の著者が一気に解説していくことで、なんだかパワーが伝わってくる。
(近現代になると、ややパワーが下がってしまう気もするが、それは、まあ仕方ないのかな?他の時代だったら、数ページで取り扱われるくらいの時間の長さかもだからね)
改めて、日本 -
Posted by ブクログ
本書は、日本における古代から近代までの思想の変遷を幅広くまとめたものである。
本書だけでは日本の思想を全て網羅することはできない。しかし、興味のある思想を見つけたい人にとって最適なガイドブックとなるだろう。
しかし、個人的には説明が少し分かりにくかった。新しい専門用語が何の説明もなしにいきなり登場し、読み進めていくとやっとその用語に関する説明が現れた。正直読むのにストレスがかかった。これに関しては仕方ない所もあるかもしれない。
この本を読んで私は日本仏教の歴史と文化や、西田幾多郎と丸山眞男などの近現代の思想家について興味を持った。次はこれらに関する本を読もうと思う。
最後のあとがきには、ミ -
Posted by ブクログ
日本人の慣習や日本的な考え方はどこから来ているか?何に影響されてきたか?を知ることができます。
ただ、扱う事柄が膨大な分野をこれだけコンパクトにしてしまうと若干中身が希薄になることは否めません。
取り扱うこ資料や歴史的に影響力のあった人物がまだ数の少ない平安時代くらいまでは良いのですが、鎌倉時代以降特に江戸時代から現代にかけては関連資料や関連人物が爆発的に増えるので、日本史の通史を学んでいるような感じになります。
その意味では日本の歴史をざっ〜と振り返りどんな時代に何があり、それがその後の時代にどんな影響を与えて今に至っているかを知るにも良い本です。興味のあるところを別の本で深堀する。そ