賛否両論の本らしいが、賛成に一票。文中に出てくる国立感染症研究所のホームページも面白かった。やや過激すぎるが、やはり高齢者以外には必要のないワクチンだと思う。子供などはインフルエンザにかかって、2-3日高熱を出してもそのまま放っておくのが抗体もしっかりできていいのではないかと思った。現在のインフルエンザワクチンは業界主導だというのも真実なのだろう。小学校の接種義務化が廃止となりメーカーは窮地に追い込まれていたが、97年の鳥インフルエンザ騒ぎに乗じて再び盛り返しており、これはワクチン生産量のグラフを見てもその通り。薬価差益も大きく、1000円で仕入れたものを3000円で接種できるので医療機関にとっても不満はないし。また、2-3割の人に効果がある、とされているが、この有効率20%というのは100人中20人の発症が100人中16人になった(16/20)ということで、100人中20人の発症を防止するということではない、というのも初耳だった。・ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンとがあり、インフルエンザは死んだウイルスの外殻を使った不活化ワクチンなのでせいぜい半年で消えてしまう程度の弱い効果しかない。一方、普通にインフルエンザにかかると、数年間効果のある免疫が作られる。・遺伝子の核によりA/B/Cが決まる。A型は最も強力でヒトにも動物にも感染し、B型はヒトにのみ感染、Cはほとんど流行らない。表面にHAタンパクやNAタンパクがあり、たとえばスペインかぜはA/H1N1、つまりA型でHAタンパクが1番、NAタンパクが1番と表記される。・日本脳炎のワクチンはラットの脳でウイルスを増殖させ、それを精製したものを使っており、どうしてもラットの脳組織が残留するため、これに対する反応がADEM。日本脳炎については培養細胞でのワクチン製造がそろそろ始まる