飯田健三郎のレビュー一覧
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戦争中に使われていた戦闘のための船や飛行機、武器に詳しいわけではない。
けれど、まったく知識のない者にとってもとても読みやすい物語になっていた。
潜水艦という特殊な船艇における戦術、息が詰まるような臨場感。
そして、救助中の敵は攻撃しないという人間性。
すでに生きて戻ることは叶わない有沢との最後の交信は胸に迫る。
必ず気付いてくれると信じ、最後の力を振り絞って敵の情報を残そうとした有沢。
限界の中でもけっして諦めることなく、友の最後の言葉を信じ作戦を練る倉本。
戦争が悪いことだというのはみんな知っている。
武力に頼った解決など、何の意味もないこともわかっている。
たとえそこに信じるべき正義があ -
Posted by ブクログ
日本史好きの私は第2次世界大戦を題材とする本もいくつか読みまシタが
これはそのどれともチョビっと毛色が違う気がしマス。
殊更に涙を誘おうとか、悲愴感をクローズアップしようとかの
ありがち 且つ 違和感を感じさせることの少ないお話でシタ。
アメリカ側の視点も描かれてたせいかシラ?
この本は映画化に際して書かれたものらしいデス。
骨格となった原作(雷撃深度一九・五 /池上 司)との違いは
楽譜のエピソードらしいデス。
ん~と ね。
これがないと、少なくとも私においては説得力に欠ける気がするデス。
↑不遜かシラね?
でも 音楽は人間にとって特別なものであってほしいので。 -
Posted by ブクログ
電車の中吊り広告で映画の告知を見て、
すっごい見に行きたかったけど結局行けず、
原作を買ってきてしまいました。
深海という極限状況下な上、
あまりにも過酷で絶望的な戦況に置かれて尚、
どこまでも誇り高く、勇敢な搭乗員たち。
ただひたすら自分の使命を全うしようとする姿が、
眩しくもあり、それ故に痛々しいです。
人は死ぬためじゃなく生きるために戦っている、
人間は兵器じゃない。
主人公のこの台詞。
今ならごくごく当たり前、
ともすれば、当然過ぎて聞き流してしまうかもしれない言葉。
当時、これを口に出来た人がどれだけいるのだろうと思います。
私を含めこれを読んだ人が、
こういうこともあった -
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池上司によるフィクション海戦記『雷撃深度一九・五 』(文春文庫)を原作にした映画作品用の脚本を元に小説化した本作。『ローレライ』『亡国のイージス』と並ぶ“夏の福井晴敏・海モノ3部作”の内の一つ。
終戦近い大東亜戦争で最後の雷撃作戦に赴いた「伊-77」と、それを撃沈せんとするアメリカ海軍駆逐艦「パージバル」の戦いは敵の作戦を読み合う「心理戦」で展開されるので心理描写を描きやすい小説は映像作品とは違った緊迫感とスペクタクルを堪能する事が出来る。
フィクションの架空戦記なので史実上でのツッコミは野暮とは思うが、福井作品の反戦のメッセージは「戦後の価値観」で日本の戦争が語られる部分が多く見受けられる為 -
Posted by ブクログ
夏になると、なぜか「戦争」関連の話の本を読みたくなるのです。
今回は、映画の「真夏のオリオン」を読んでみました。
今まで戦争の話で記憶に残るのは『出口のない海』と『戦場のピアニスト』
この真夏のオリオンも出口のない海と同様に海軍の話でした。
お国のために死ぬんだ!!っと思う日本人ばかりの時に
主人公の倉本館長は・・・「生きるために戦う」っという新年を貫き通し
同じ戦艦に乗り組む乗員を大切にし
自分よりも位が低くても年上の人を敬い
友人を愛し
そして、愛おしい人を心より大切に想った。
非常に泣ける内容でもなく
非常に内容が濃いというわけでもないが
時間があるときに、サラっとでも読んで見