西山繭子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
"海の向こうで三年働けば、日本で一生楽に暮らせる"。100年前バンクバーに渡った日系移民たちの希望の星となった伝説の日本人野球チームの物語。まともに勝てる相手ではないカナダチームに果敢に挑む。そして編み出した秘策とは。。読出しは、青春スポコン小説かと思いきや、読み進めるにつれ、時代と国家に翻弄された日系移民の苦悩が浮き彫りにされていく。過酷な労働、人種差別そして想像を絶する貧困。悲壮感を漂わせず、野球を通じて逞しく前向きに生きる様をテンポよく記す。真実の重みゆえ、どんな境遇でもあきらめない強い気持ちになれる感動、人間賛歌の物語ですよ~。
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Posted by ブクログ
明治維新を遂げ、物価の高い欧米諸国へ出稼ぎに。龍馬以来の日本人としての自覚が生まれてきてはいるが、海外との交流の在り方は、現在のようなカタチではないなあと感じた。とまずは、昨日までに読んでいた「竜馬がゆく」の延長戦として日本人の歴史目線で楽しむことができた。
物語の中で特に印象的なものは、日系1世と2世との現地人の認識の違いである。この溝が「野球」を通じて少し埋まっていくところが良かった。朝日のメンバーたちの「スモールベースボール」「ブレインベースボール」「フェアプレー精神」を通じて、日本人だけでなく現地人をも魅了するプレーには心打たれた。
平和の祭典オリンピックが来年日本で行われることを心