太田蘭三のレビュー一覧
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・・・・・世界中に男女差別や人種差別が根強くあるように、そしてまた年齢差別という若年層からの老人たちへの差別が厳然と存在する。人間にとって、焼肉定食じゃなかった弱肉強食であってはいけなく共存共栄でなければいけないなずなのに。
ところで、ゆめゆめ老人を侮ってはいけない。老人を汚いとか見苦しいとか見っとも無いとかヨボヨボだとかという眼で見てはいけない。というか、若年層たちよ、そう見えるのは、実は君たちの恐怖の表れなのだ。
目の前の老人は、確実に70歳なら70歳の人生を、荒波を乗り越えて生き抜いてきた人なのだ。20歳の君もやがて確実に、50年後には70歳の老人となる、必ずしもそうなるわけではない -
Posted by ブクログ
評価は4
内容(BOOKデーターベース)
「おれは無実だ!」戦争下の昭和十七年、久世圭介は何者かに恋人を惨殺された。だが、西青梅署は圭介を殺人犯として逮捕した。拷問による執拗な取調べは凄惨を極め、圭介は虚偽の自白を強制され、無期懲役の刑に服した。そして、敗色濃い昭和二十年三月、東京を直撃した大空襲下、圭介は火炎の海の中、脱走した。その日から、圭介は別人になり変わり、冤罪を晴らすべく新たな歩を始めたのだった…。一人の男の数奇な半生を重厚、劇的に描く迫真の推理傑作。
警察官になり、検事になり懸命に冤罪を晴らす。昔はあったんだろうなぁ〜今でもあるかもしれないけど冤罪ってのは辛いだろう。誰も自分を -
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年老いていくことの哀しさと怖さが、ユーモアを交えながら軽快に語られている。
自らの葬式を演出していた源田が届いた棺桶に入ってみる場面は、何か妙な感じがした。
順番に棺桶に入ってみる老人たち。
この人たちにとって死とはどんなものなのだろう?
老いるという言葉には「枯れる」というイメージがあった。
だが、源田の葬儀で起きた事件は、老人はけっして枯れてなどいないことを教えてくれる。
人生の最後に思い切ったことをした女性の心情が現実感のあるものなのかどうか。
わからないけれど…。
クライマックスはやはり老人たちが「死に花」を咲かせる場面だろう。
なぜか活き活きとしている老人たちの姿が、哀しくもあり、お -
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今年の2月に『白の處刑』を讀んで以來の太田蘭三作品。
太田蘭三といへば、私にとつてのベストは『脱獄山脈』。
その次に面白かつたのが、今囘の『死に花』だ。
この作品では、山も釣りもさほど絡んでこない。
主人公は老人ホームに入所してゐる「老人」達である。
彼らは自らの「老い」を認めた上で、最後の「死に花」を咲かせやうとする。
そして、その「死に花」たるや・・・
これまでの經驗や智慧を活かしての、人生最後の大バクチ!
さて、このバクチは、果して成功するのか?
主人公はいづれもひと癖もふた癖もある老人達で、彼らの言動そのものが面白い。
爺さんと婆さんのセックスまで描かれてゐるが、それもまた一興。 -
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太田蘭三の長篇ミステリ作品『箱根路、殺し連れ~北多摩署純情派シリーズ3~』を読みました。
ここのところ、国内のミステリ作品が続いています。
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北多摩署・相馬刑事の車から絞殺死体が発見された!
被害者は新宿・歌舞伎町の駐車場オーナー・平賀喜一郎。
彼は高額地所所有者ゆえに殺されたのか?
所轄外のため捜査できない相馬刑事だが、箱根・芦ノ湖で揚げ羽蝶の刺青をした溺死体を発見、平賀殺害の容疑者との間に奇妙な共通点を見いだした!
お馴染み相馬刑事(ウマさん)が泥棒(ノビ)の大二郎とコンビを組んで大活躍!
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