山竹伸二のレビュー一覧
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日本人は宗教的観念も他国と比べて低いため、周囲の人たちの承認により、自分の必要性を感じようとする。あまり好きではない人との飲み会も、嫌われたくない、嫌な噂を立てられたくない、そう思っていたら断れず、だからといってそこで自分の承認価値が高まるわけでもなく、不服な気持ちを抱く悪循環。しかも交際費が重なるだけ。無意識に思ってしまう「しなければならない」という感情を(自己ルール)=過剰な自意識に気づいて自分を理解する。言い換えて、自己了解していくことで空虚な承認ゲームから脱出できるひとつの方法である。snsなどの発達によって親しい人からの本物の承認を得られにくくなっていく現代において、刺さる一冊!!ゆ
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タイトルほど衒学的な内容ではなく、哲学的な考察の仕方を採用しているだけで案外に実践的な子育て本。
幸せな子育てとは何かという問いに対し、
育児の目的は「子供の自由な生の実現」であると置く。
そのためには、子供には自分の感情に気付く力(「感情の主体」)、自分の欲望に気付く力(「欲望の主体」)、そのうえで、理性的に行動を選び取る力(「理性の主体」)を育む必要があると整理する。
この感情の自覚、欲望の自覚、理性の獲得は、通常子供の発達段階に沿っているため、親は各段階で適切にこれを伸ばすよう手助けしていくことが望ましいと説く。
そのためには何より、子供の心に寄り添い、子供の行動の奥に潜む心理を感じ取 -
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ネタバレ2014年の68冊目です。
私には、顕在化、潜在化した承認欲求があります。
ここ数年来の自分のテーマでした。そんな時、リサイクルBookストアーの新書コーナで見つけた本です。
本の前半では、人間の承認欲求について解説されていますが、「これは、ほとんど自分の事を分析して書かれている」と思うほど、合点のいくものでした。
第1章「認められたい」の暴走の中に次の一節があります。「他者の承認は自分の存在価値に関わる、最も人間的な欲望であり、長期にわたってそれなしに生きていける人間はほとんどいないだろう」 それって私のことですと言いたくなるような文章ですね。ところで、承認を与える他者とは誰か?本書では、 -
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ネタバレ承認不安からの脱出について著書は、場当たり的なコミュニケーション力の向上ではなく根本的な解決策を提示している。
自己了解と一般的他者の視点だ。
自己了解によって自分自身の欲望に気づくことが出来れば、その欲望からかけ離れた行動をやめるにせよ、欲望を抑えて行動するにせよ、自分なりに吟味したうえで納得のできる判断(自己判断)をすることができる。自己決定による納得感は自由の最も重要な本質契機。
一般的他者の視点はアダム・スミスの言う公平な胸中の観察者にほぼ相当する。
これは経験により培われる。他の考え方を持った人々にも耳を傾け、ネットや書籍を通じて様々な価値観を理解し、何故そう考えるようになる -
Posted by ブクログ
「認められたい」の正体は、人間としての本能。自己価値への欲望。と第二章で結論付け、最終章である第五章でそこからの脱出方法を考察している。二章で結論付けられたことについて、三章でそうなる過程を詳しく説明。
個々の価値観の多様化によって、どうしたら認められるのか、つまり「認められるためには何をしたらいいのか」が不明瞭になり、その結果承認不安が強くなる、というのが現代。
もともとは親和的欲求としての親の承認を得ようとし、それが学童期から集団的欲求としての友人の承認、壮年期からは一般的承認への欲求と変わっていく。その過程で「一般的他者の視点」も成熟していく。それぞれの欲求は互いに補完し合う関係性にあ