永井良和のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
往来堂書店「D坂文庫2014冬」から。南海ホークスを通じて見たプロ野球文化史論の一級品。
南海ホークスの球団史ではなく、主題はサブタイトルの「野球ファンとパ・リーグの文化史」の方にある。軽い気持ちで読み始めたが、これは紛れもなく学術書だ。
阪神タイガースをしのぐ人気を誇っていた南海ホークスが凋落していった理由を、社会学的に分析しているのだが、その手法はお見事というほかない。当時、子供ながらにセ・リーグは新聞社の球団が多く、パ・リーグは関西の鉄道会社の球団が多いなとは思っていたが、それにはしっかりとした理由があり、そして、その理由がその後の凋落を引き起こした一因ともなっていたのだ。
そして、球団 -
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Posted by ブクログ
今思えば父も「野球難民」やったんやと。ひたすら巨人戦の中継ばかり見ていた父が。巨人ファンではない、巨人が負けるところを見たいのだと。阪神ファンの幼い私には理解不能だった。
後に母から父は南海ホークスファンだったと聞かされた。ならば巨人の中継じゃなくて、ダイエーホークスを応援すればええやないかと思っていた。ダイエーホークスにはそないに興味があるようには見えなかった。もちろんソフトバンクも。
この本を読んでようやく解けた。身近な人が感じてであろう喪失感に。野球は好きだがひいきの球団はもう無いという。もはや父は巨人戦だって見ていないのだ。
自分には物心ついたときには阪神しかなかったが、南海がまだ在 -