宮下誠のレビュー一覧

  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
     絵画鑑賞の醍醐味は、感覚的な「好き嫌い」にとどまらずその絵画を正しく「理解する」ことであり、人間関係同様相手を「わかる」ことで単なる「好き嫌い」以上のより深く分かちがたい関係を築けると著者はいう。
     本書の軸になっているのは抽象と具象の二元論だが、二次元と三次元、物語性とコンセプチュアルなど、絵画...続きを読む
  • 20世紀音楽~クラシックの運命~
    超お勧め本。現代音楽に関心がある方には是非読んで欲しい。著者が素人の音楽ファンであることがまず〇。あくまでファンの観点からお勧めの曲が大量に紹介されいる。読んでいる最中だが、この分厚い内容で1000円は滅茶苦茶安いと思う。
  • カラヤンがクラシックを殺した
    どういう内容の本多か調べもせず何気なく買って何気なく読み出したのだが、カラヤンを通して20世紀という時代の人類の行過ぎた快楽主義を問うという内容だった。しかもカラヤンと比較されるのがクレンペラーとケーゲル。読み始めてどんどん引き込まれていった。しかし、この本で使われている言葉、哲学や美学の用語なのだ...続きを読む
  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
    これはよかった。
    20世紀絵画というものをどのように捉えるべきか、という指針(“まなざし”とでもいうのだろうか)のようなものを呈示してくれていて、しかもそれらが作品ごとに章立てされているので、非常に分かりやすく、自然な形でそれを受け取れた気がする。

    私たちが絵画を見るときに感じる「わかる」/「わか...続きを読む
  • カラヤンがクラシックを殺した
    指揮者として他に例を見ないほどの地位、名誉、そして破格の収入と財産を築き上げたカラヤン。彼が何を考え、どのように歩んでいたのか。
    それは音楽性とは無関係とは言えないが、多分に政治的な権力を行使してきた結果でもある。
  • カラヤンがクラシックを殺した
     『クレー──越境する天使』のなかで、本書のことが触れられ、その内容に対する中傷によって、著者は相当に消耗したと書いてあった。カラヤン的なものが、その流線型への化粧が覆い隠してしまった、音楽が本来深く肯定すべき、苦悩に満ちた、死と隣り合わせの生の本質に迫る表現を、クレンペラーとケーゲルの仮借のない音...続きを読む
  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
    [ 内容 ]
    私たちは、ある絵画作品に出会い、そこに何が描かれているかを「再認」しえたとき、その絵を「わかる」という。
    しかし、なぜそれほどまでに私たちは絵を「わかろう」とするのだろうか?
    20世紀に描かれた絵画は、それ以前の絵画が思いもしなかった無数の認識をその背景に持っている。
    そして、絵とは具...続きを読む
  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
    いわゆる「わかる」写実的な絵画というのは近代の人間中心主義が成立したごく限られた時期と地域のものでしかない、という主張は説得力あり。
  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
    記述の仕方が理論的というか仰々しいというか。でも、感覚だけで鑑賞した人の記述よりは得るものがある。というかものすごく勉強になる。
    東欧の絵画は筆者もいうように衝撃的だった。必見。
    新書としてはいい本と思われ。
  • カラヤンがクラシックを殺した
    カラヤンによってクラシックは大衆に消費されるものになってしまったことを舌鋒鋭く批判している本です。

    著者は本書を「精神史」の方法にもとづいて執筆したと述べており、アドルノを思わせる消費社会と大衆に対する呪詛のことばがつづられるとともに、カラヤンがそうした二十世紀の動向にみごとにこたえるような天才性...続きを読む
  • カラヤンがクラシックを殺した
    言っていることは概ね当たっていると思うし共感も感じるが、カラヤンによって薄っぺらで物事を深く考えない今の社会がもたらされてるというのは言い過ぎである。むしろそのような社会の兆候あるいは表出がカラヤンなのではないかと思った。
  • カラヤンがクラシックを殺した
    駅ビルの本屋さんで購入する。正直、期待はずれでした。著者の本は、いつも期待はずれです。この本を読むまでは、こちらが悪いと思っていました。僕には、美術、音楽を楽しむための基礎的教養が欠けています。それが、理由だと思っていました。もちろん、それも、原因の一つだと思います。主な原因は、著者にあることが分か...続きを読む
  • カラヤンがクラシックを殺した
    ちょっと面白いタイトルでしたので、手にとってみました。今は自分で演奏することはないですがクラシックは4年間いちおう演ってましたので気になります。

    さて、内容は表紙に記述されているものをそのまま引用します。

    20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。その流麗な「美」に魅せられた人は少...続きを読む
  • カラヤンがクラシックを殺した
    [ 内容 ]
    20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤン。
    その流麗な「美」に魅せられた人は少なくないだろう。
    しかし、「カラヤン以後」、音楽の風景は一変し、何かが決定的に失われてしまったことに気づいているだろうか。
    かつて音楽を聴く聴衆は、その成り立ちに息を潜めるがごとく、宗教儀式のよ...続きを読む
  • 20世紀絵画~モダニズム美術史を問い直す~
    序章 『モナリザ』も『黒に黒』もわからない?(わからないから嫌い?
    新たな謎 ほか)
    第1章 抽象絵画の成立と展開(平べったい裸婦―マネ『オランピア』
    行く川の流れは絶えずして―モネ『陽を浴びる積み藁』 ほか)
    間奏 “旧東独美術”の見えない壁
    第2章 具象絵画の豊饒と屈折(風景の形而上学―ベックリ...続きを読む