中村紘子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
-社会がどう変わろうと、誰がなんと言おうと、私たちピアニストという蛮族はラクダのように悠々と進んでいく。人生という貴重な限られた時間のなかで、ときに時代錯誤と見えるほど莫大な時間を浪費していると思われようとも、私たちピアニストという蛮族はラクダのように悠々と進んでいく-
日本における西欧音楽創生期、幸田延(幸田露伴とは兄妹)、久野久といった女性の人生を、天才少女と謳われショパンコンクールで日本人初の上位入賞を果たしたピアニスト中村紘子ならではの視点で語っていく。そのほか、ラフマニノフ、ホロヴィッツなどの巨匠たちの「いっちゃっている」様子の短編もあり、面白い。クラッシック関連のスノッブな場での -
Posted by ブクログ
コンチェルトを演奏しない理由として、「オーケストラは邪魔だから」(ホロヴィッツ)と言ったという”蛮族”になんとなく親しみを覚えます。1日に何時間も練習に費やし、しかも演奏家としての寿命も長いので社会から断絶してしまい常識外れで頓珍漢な人が多いという話も、本家がそう言うのだからそうなのかな〜と思うし。24歳で本格的にツェルニーから習い始めたというパデレフスキーに特徴的なように、人間大抵のことは努力すれば出来るんですね。1日に17時間も弾けばそりゃ上手くなるよ(笑)そんなに練習できてしまうというのがそもそも”蛮族”の素質なのかもしれないなぁ。
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Posted by ブクログ
2016年に亡くなった著者の「変わり者」「数奇な運命」「天は二物を与えた」ピアニストたちの魅力的な群像に迫る好エッセイ。
まず、ピアノは基本的に男性が弾くことを前提に発展してきた楽器という歴史をもちながら、今なお世界で行われているピアノコンテストは他のスポーツ競技のような男女別ではないという指摘(P285)は目から鱗でした。(もちろん、後段で、女性にしか弾けない繊細さもある点にも言及しています)
そして、明治初期に日本人ピアニストの歴史をリードしたのが、男性ではなく女性だったことは、楽器演奏なんて女の道楽だという時代背景と無関係ではなさそうです。
未だ男尊女卑という風潮が強く残っていた当時に、