細川布久子のレビュー一覧
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ネタバレ本名は福子。師匠の開高から「3文字のほうがうまくいくちゅうジンクスがあるらしい。わたくしがピタリとくる漢字を見つけてあげます」と言われ、つけられた筆名が「布久子」。数年後、ほかの人が布久はフグのことだと教えてくれた。時々ふくれるから、フグ(口絵の写真は、闊歩する開高と、隣に笑う丸顔の布久子)。お茶目な師匠と、師匠の言うことを真に受ける弟子、そういう関係。
1947年生まれ。学生運動にくたびれて関西大学を卒業。卒業年次に開高の『夏の闇』と『輝ける闇』と出会う。就職のあてもないままに上京、たまたま新聞で雑誌「面白半分」の求人広告を見かけ、編集部を訪ねる。数週間後に仮採用、発行人の佐藤嘉尚に付いて開 -
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1989年に亡くなった作家・開高健の私設秘書でもあった著者が長年の沈黙を破って書き記した、きわめてプライヴェートな作家像。著者はパリ在住のワイン・ライターとして活躍中の細川布久子である。
1973年、雑誌「面白半分」のアルバイトとして初めて開高健に接したシーンから、後年パリ在住となった著者が、取材でパリを訪れた開高健と再会を果たすシーンまで、およそ15年に亘る記憶が実に詳細に記されている。
開高健の庇護を離れ、みずからのレゾン・デートルを求めて、著者がパリへ渡ったのが1985年の暮れのこと。それまで手がけていたサントリー関連のワイン記事の仕事がきっかけだった。以来、開高健の死をはさみ、現在