澤木恒則著「大資産家になるためのアジア副業マニュアル」PHPビジネス新書(2014)
*ほんの少しの気づきから人生を変えることは誰にでも可能だ。行動が変われば人生は大きく変わっていく。
*飛行機から降り立ち、その国の風にひかれ、空気の匂いを嗅ぎ、ショッピングモールに紛れ込む。人々で賑わう地元のレスト
...続きを読むランで彼らの言葉に耳を傾ければ思う。百聞は一見にしかずであると。
*日本に観光で訪れるアジアの友人も多いが、彼らが異口同音に口にするのは日本の素晴らしさと日本人の英語力のなさである。
*アリとキリギリスにたとえるなら、日本人、華人、ベトナム人、ミャンマー人がアリ的な生活を営んでいる。一方、フィリピン人、マレーシア人、インドネシア人、タイ人、ラオス人、カンボジア人などはキリギリス的な生き方をしている。そんなに心配事もなく、明日は明日の風が吹くと思っている。
*人生を変える方法は3つしかないと言われている。まず、住む場所を変えること。次に付き合う人を変えること。最後に人生の今の生きている時間配分を変えることである。実はこの中で最も効果的で簡単な方法は住む場所を変えることである。
*日本人の多くは、良い会社に入り、不平、不満があっても我慢に我慢を重ねて定年まで働ききることが人生にたった一つしかない答えだと思い込んでいる。皆がやっているということは、多分それが答えなのだろうという安心感につながっているからだ。
*日銭での安定より時間給で考えることが重要。日銭、つまりわずかでも確実にはいってくる収入の道があると、多くの人間はそこから離れられなくなる。これが日銭理論と名付ける。
*人は常に自分の価値に見合う時間給の概念を持つべきである。自分は時間給いくらの人間になりたいのか、それは自分が社会に提供する価値を、一時間あたりに換算した額である。
*皮肉な言い方だが、多くのサラリーマンは経営者側から日銭を提供されることにより会社に縛られて働いているとも言える。MBAにコントローラーシップという科目があるが、これは経営者がどうやって労働者を元気付け働いてもらうかを学ぶ学問である。素晴らしい内容だが、素晴らしいのはあくまで経営者にとってである。だが、人間というものはコントロールされてしまうと思考が止まってしまうことが多い。本当の意味での人生の成功、自己実現、社会貢献をしようと思ったら、この日銭に縛られたままでは非常に難しい。
*グローバルな人間のもっとも大切な条件は、日本と異なる文化を理解でき、それらの文化の人々とも違和感なく交流でき、さらにそれを自らのエネルギーにまで高めることができる人である。日本以外にも素晴らしい文化があり、人々がいるんだ。と心から思えることである。さらに言えば、国境を大きく超えて社会に価値を提供できる人とも言える。
*自分の経験、知識は何なのか?それがイコール自分の強みであり競争優位となる。そんなに肩に力を入れる必要はない。社会人としてそれも日本という、良い意味で非常に特殊な国で、5〜10年以上の経験があれば、その経験や知識は今のアジアでは大きな強みとなるだろう。
*アジア各国には、主に中国から大量のコピー商品や、安いが粗悪な商品が押し寄せている。でも、忘れてはいけないのは、日本にアジアの人々がまさに憧れる高品質な正規品が溢れている。
*移動は経費ではなく投資である。
*ハーバード大学で人気のある講義にHAPPIERというものがある。この講義は、人間のタイプを見事に4つに分類している。4つの「幸せモデル」があり、快楽型、出世競争型、悲観型、至福型、に分けている。快楽型は今の快楽にしか焦点を当てないため、今がよければ将来はどうでもいいと思って生きていく人だ。出世競争型は実はいつも不幸な人生を送ることになってしまう。なぜなら彼らは目の前の勉強や仕事は幸せになるために耐えるものだと思い込んでいるからだ。それに耐えさえすれば永遠の至福を手にできると思っている。しかし、それは解放感と幸せを混同しているのであり、目標を達しさえすれば幸せになれるという幻想とともに、次々と目標を追い続けることになる。つまりずっと努力している。そしていつまでたっても幸福を掌握した気分は味わえない。残念ながら日本人のほとんどはこのタイプである。悲観型は過去に縛られて生きていくタイプである。幸せを得ようとして失敗した過去の体験をもとに、しわわせになることなんて、そもそも不可能なことなんだ、と思い込んで生きて行く。至福型は現在の価値は未来にもつながっていると信じており、現在の利益と未来の利益を同時にもたらしてくれる活動にエネルギーを振り向けられる生き方である。今の仕事も幸せで楽しくて、将来もそれが続くと信じている。著者が提唱したいのはこの至福型人生である。