クリスチアナ・ブランドのレビュー一覧

  • 薔薇の輪
    アガサ・クリスティと並び称されたクリスチアナ・ブランドの、未訳だった長編が、発行されました。
    1977年の作品。
    探偵役は男性のチャッキー警部ですが、話の本筋は乙女ミステリとても呼びたいような内容。

    ロンドンの女優エステラ。
    美人で気立てもいいけど、演技はそれほどでもない。
    エステラの人気は、体が...続きを読む
  • 濃霧は危険
    ミステリー作家の山口雅也さんが、読書通人のための「都市伝説的」作品や本邦未紹介作品を選書する《奇想天外の本棚》

    読書通人を気取りたい小生といたしましてはとても避けては通れない謳い文句であります

    そんな《奇想天外の本棚》二冊目に手に取ったのは、イギリスのミステリ作家クリスチアナ・ブランド女史のジュ...続きを読む
  • 領主館の花嫁たち
    なんとも釈然としねぇー話だよなぁー、というか、ストレスの溜まる話だなぁ…、というか。
    とにっかく留飲の下がらない話!w

    別にハッピーエンドじゃなくてもいい。悲劇なら悲劇でいいのだ。
    だって、ホラーだもん。ホラーは悲劇があるからこそ怖さが増す。
    でも、この話に出てくるのは、主要登場人物から幽霊まで全...続きを読む
  • 薔薇の輪
    クリスティに並び賞される(らしい)イギリスミステリー界の女王、クリスチアナ・ブラント晩年の傑作長編…というのは完全に聞いてきた話の受け売りで、この本を手に取ろうと思うまで、作者については全くの無知であった。

    うん、確かにオモロい。20世紀の欧米ミステリーテイストに溢れた良い作品である。少々古臭い部...続きを読む
  • 薔薇の輪
    イギリスの作家クリスチアナ・ブランド、1977年発表の小説。邦訳は2015年。
    ウェールズの田園地帯を舞台にしたミステリー。読み終えて、何だかとても物悲しくなる作品ですが、良いです。

    ロンドンの人気女優エステラには心身に障害を持つ娘がおり、ウェールズの片田舎で人目を避けて育てられていました。そして...続きを読む
  • 領主館の花嫁たち
    なんと見事なゴシックホラー。いや、話はぜんぜん怖くないよ? 一族代々の花嫁が不幸に死すという呪いに、領主館の双子姉妹は抗おうとするが…というだけの筋書き。でもそれだけの話をここまで読ませるのは、田舎の忠実な召使いから不細工だがセンスがいいばばマダムまで人間味あふれるキャラ造形、少しずつ謎を明かして...続きを読む
  • 薔薇の輪
    ★3.5
    ブランドの長編は、人間関係の過剰なドタバタ劇を面白く受け止められるかどうかで評価が分かれる。ほぼ全ての登場人物達が荒唐無稽な言動をし、こちらはそれに振り回されて本筋を見失いかねず、悲劇なのか喜劇なのかも分からなくなってくる。ただし今まで読んだ作品は訳も古く、そのせいで余計滑稽さを感じていた...続きを読む
  • 薔薇の輪
     コメディである。喜劇というべきか。
     非常になんも考えずに楽しく読める作品だが、論理的というより推測に推測を重ねるタイプの推理なので、「え? その予想には根拠ないよね?」ってなる。まじものごとき憑くものも同じタイプだけれども、確認しないまま推測に推測を重ねるのってどうなんだろうってなる。テンポの良...続きを読む
  • 薔薇の輪
    障害を持つ娘のことを綴ったエッセイで人気を保っている女優エステラ。彼女の服役していた夫が病気のため特赦で出所、娘に会いたいと訪ねて来る。仕方なく娘の住むウェールズの田舎に案内するが、そこで事件は起こった…
    登場人物が少ないしかなり昔の作品なので、ミステリとして驚愕の結末、というわけにはいかないが、エ...続きを読む
  • 薔薇の輪
    虚偽にはりめぐらされた世界に、現実に起きた事件のあれこれを思い出させられたり。ひどい話だが、母親として「愛がない…わけではない…」というところが余計に曲者。
  • 薔薇の輪
    有名女優の周りに多くの人々が侍り、依存して生きていくというような状況ができあがったのはいつ頃の時代からなのだろうか。本書は1977年の作品ということなので、スターとその取り巻きが当たり前に描かれていても年代的にはおかしくない。厳密には主人公の女優に依存しているというのとも少し違うのだれど、このような...続きを読む
  • 薔薇の輪
    某角川映画原作作品のように、最初は倒叙作品の演出(エステラ視点で固定)にして徐々に視点を切り替えていく形にした方がすっきりとまとまった気がする。クリスチアナ・ブランドは多くの登場人物がそれぞれ大騒ぎしている中に伏線とミスリードを上手く盛り込んでくるのが得意だと個人的に思っており、登場人物の少ない「薔...続きを読む