冨田恭彦のレビュー一覧

  • デカルト入門講義
    「省察」を丁寧に解説してくれており、デカルトの論旨をトレースすることができ解像度がぐっと上がった気がします。自然科学領域にも業績のあるデカルトに対し、第一哲学としての形而上学の面にフォーカスしてるのも、自分の興味とマッチしていて楽しく読み進めることができました。
    「コギト・エルゴ・スム」がデカルト哲...続きを読む
  • デカルト入門講義
    2冊購入したデカルト入門のうちの1冊。

    『省察』を丁寧に解説してありわかりやすい。「観念とは」というあたりを中心にしてグルグルと回る。

    夢と覚醒時の区別は明確ではない。

    デカルト以降の解説はもう少し読みたかった。
  • 詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ
    絶対的なもので束縛する哲学ではなく、創造する哲学を。
    それを著者は詩としての哲学と呼ぶ。

    本当のサブタイトルは、「ロマン主義・ニーチェ・ローティ」だろう。

    他書で冨田先生からローティ哲学の良さを教えてもらったにもかかわらず、その後、勝手に見くびってしまい、本書でまたその価値を再発見できた。やはり...続きを読む
  • 観念論の教室
    冨田さんの本、ほんとめちゃ面白い

    バークリーの分かり易い解説。
    驚くべき観念論の豊かさに驚く。驚きつつ、違和感、疑問を拭えない。
    そんで、バークリーへの批判として、そうそう、だよね、そこがずっと気持ち悪かったよ、というところを指摘してくれる。
    でも、それでもバークリーの観念論の魅力を話す
    が、最後...続きを読む
  • デカルト入門講義
    これはめちゃくちゃ面白かった

    なんで、デカルト、スピノザ 、ライプニッツといって、フランシス・ベーコン、ジョン・ロック、ときたこのタイミングで、バークリに行かずまたデカルトに戻ったのかと言うと、この著者のロックの本がめちゃくちゃ面白かったから。
    なんだけども、ここで一旦、またデカルトに戻ったのはと...続きを読む
  • ローティ ──連帯と自己超克の思想
    ローティを軸に、西洋哲学史を丁寧に概観し、布置している。今を生きていく視点が得られた。ロマン主義を再評価できた。
  • 科学哲学者 柏木達彦のプラトン講義
    柏木達彦シリーズ文庫版の第2弾ですが,プラトンに関する講義ではないです。前作から通底しているのは,あるがままの事実を我々は見ることはできないということ。結局のところ,観察の理論負荷性に代表されるように,事実を知ることはものの見方に束縛されているということなんですね。つまり,絶対的事実など求めても仕方...続きを読む
  • ローティ ──連帯と自己超克の思想
    ローティのことを知りたくて読んだが、期せずして西洋哲学史を概観することとなり、かつ平易な語り口で、しかし確信を持って進む叙述には感銘を受けた。端的に言って良著。
  • アメリカ言語哲学入門
    ローティに目覚めました。「神は死んだ」ニーチェ的なところがありますね。ただし、ニヒリズムだけではない、そこからの出発、対処もある。

    以前、入門書で読んだときはチンプンカンプンだったデヴィッドソン、クリプキ、そして、同じく概論として学んでいたオースティンやサールのそれぞれの位置づけがわかり、さらに、...続きを読む
  • ローティ ──連帯と自己超克の思想
    ローティ本人の論文に挫折した私も、識者の解説で迂回してでも、ローティを理解しようと考えたため、本書を手にとった。蓋を開けてみれば、極めて分かりやすい説明で、ローティ理解は格段に進んだと言える。絶対的真理を掲げる人は怪しげだと見ていた私に、ローティの主張は恵みの雨であり、我々に関わりなく定まったものと...続きを読む
  • ローティ ──連帯と自己超克の思想
    リチャード・ローティの多面的な思想を、ローティと密接な個人的交流のあった著者が平易明快に解説。ローティの思想の前提となる哲学史的なことについても丁寧に触れられており、これを読むだけで近現代哲学の簡単なおさらいをすることもできる。
    広範な哲学的話題に言及するローティの思想をたどることは、著者の噛み砕い...続きを読む
  • 科学哲学者 柏木達彦の哲学革命講義
    教授と生徒の対話にのせて、色はどこにあるのか?という問いから始まり、わたしたちの知識の由来の問いへと広がっていく。その広がりを認識論的転回と言語論的転回という、二つの哲学史上の革命をキーにして解説。

    そもそも哲学の問題は、今自分たちがしていることや見聞きしていることをどうやって一貫性をもって説明す...続きを読む
  • 科学哲学者 柏木達彦のプラトン講義
    『科学哲学者柏木達彦の秋物語―事実・対象・言葉をめぐる四つの話、の巻』(ナカニシヤ出版)の加筆改題版です。観察の理論負荷性と相対主義の問題や指示理論、言語行為論などのトピックを扱った、小説仕立ての哲学入門になっています。

    第1話は、咲村紫苑という物理学専攻の女子学生が、柏木のもとで現代の指示理論に...続きを読む
  • 科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏 科学がわかる哲学入門
    目にする科学哲学の本は,どれも事実をあるがままのものとして捉えることはあり得ないということを説いていますが,この本はそのあたりのことを何人かの科学哲学者の主張をもとに論じています。どのように事実を捉えるかという視点(=理論,そして全体論として整合すること)こそが大事だということが再確認されます。若干...続きを読む
  • 詩としての哲学 ニーチェ・ハイデッガー・ローティ
    タイトルにひかれて買ってみた。ニーチェやハイデガーは最近関心のあるところだし、ローティも面白い。

    著者の本は、以前に「哲学の最前線 ハーバードから愛をこめて」を読んだことがあって、わかりやすくて楽しかった記憶があり、この本も比較的わかりやすいかな?

    ニーチェはエマソンの影響を受けているというのは...続きを読む
  • ローティ ──連帯と自己超克の思想
    リチャード・ローティの哲学を、わかりやすい語り口で解説している本です。

    ローティほど幅広い分野で活躍している哲学者は少なく、その思想の全貌を捉えることは容易ではありません。本書では、哲学プロパーの話題が中心となっており、政治思想についてはあまり述べられていません。著者はこれまでにも、「科学哲学者柏...続きを読む
  • 観念論の教室
    ジョージ・バークリの観念論を、「明るい観念論」と評価し、その内容をわかりやすく解説。
    わかりやすく解説されてはいるのだが、自分にはバークリの観念論が十分には理解できなかった。人間は観念としてしか世界を理解できないというのはよくわかるのだが、だからといって観念しか存在しないということにはならないのでは...続きを読む
  • 科学哲学者 柏木達彦の多忙な夏 科学がわかる哲学入門
    柏木教授と女子大学生が対話形式で話しを進めていく哲学初心者読本。

    パラダイムなどの話を順番に話していくのですが・・・・・・
    哲学の心得の無い私には少し難しかったです。

    簡単な言葉(口語)語られているけれど、哲学用語の意味を捉えきれず、右耳で入ったかと思えば、左耳から抜けていくといったカンジです。...続きを読む
  • 科学哲学者 柏木達彦のプラトン講義
    科学哲学者柏木達彦の秋物語の改訂版です。「観察の理論負荷性」の説明がわかりやすく再確認できました。最後に出てくる「希望の哲学」という考えかたもいいですね。