ブライアン・ヘアのレビュー一覧

  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    ブライアン・ヘアは、イヌとボノボの研究者。学部時代の指導教員はマイケル・トマセロ、大学院はリチャード・ランガム。彼らの直系なのだから、学問的なおもしろさは推して知るべし。大学院の頃、ランガムの指示のもと、ギンギツネの家畜化で有名なシベリアのリュドミラ・トルートの研究施設で3カ月を過ごした。その時のエピソードがおもしろい。
    イヌもボノボも、ヒトと同様、強力な「自己家畜化」の形質をもった動物種だ。本書で展開されるのは、ヒトの場合、この自己家畜化によって社会的知能が生み出されたという仮説。ネアンデルタール人が、われわれ現生人類に比べさまざまの点で「家畜化」の程度が少ないという指摘も興味深い。ただ、7

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    2025年05月07日
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    ネタバレ

    進化の本かなと思って読んだけど、徐々に差別や分断の話へと変わっていった。
    最後の謝辞に『(二〇一六年の)大統領選の後、第一稿の半分を没にした』とある。政治に疎い私でも前後の文から、トランプ大統領が当選したときの話だと分かった。

    人間は『ずっと子供のまま』というのは、何かのテレビで見た気がする。これは『幼いまま』という意味ではなくて『好奇心が強い生き物』という事。
    人間は大人になっても好奇心が強い。とはいえ、子供のころよりその好奇心は縮小されているのはひしひし感じる。それでも年を取って好奇心ゼロになる人は少ない気がする。

    p190にはアメリカの刑務所制度の問題点が書いてある。実は『ポリコレの

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    2024年03月08日
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    ヒトが他の人類と違って繁栄できたのは、自己家畜化によって進化した協力的コミュニケーションという友好性を有していたから。一方でこの友好性は他者を非人間化し残虐に扱うことができるという負の側面もある。
    協力的コミュニケーションの能力はイヌにはあるがチンパンジーにはない。友好的なキツネだけを交配すると認知能力だけでなく外形にも変化が生じた。脳の小型化や鼻面が短くなったりした。
    ヒトには集団内の見知らぬ人という社会的カテゴリーが生まれ、それが人口増加と技術革新を生み出した。
    ヒトは他者を非人間化し、残虐になる。非人間化の典型が猿化で、これは日本人、黒人、アイルランド人、ユダヤ人などあらゆる集団があらゆ

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    2022年11月06日
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    ヒトの家畜化?誰に家畜化された?と思いながら読み始めた。
    なるほど、サブテーマに書かれているように「なぜ寛容でありながら残酷な生き物に進化した」かが、自己家畜化と言うヒトを捕食者の頂点に押し上げ文明をつくらせた進化圧が、同時に他者に対しての残虐さにもつながっていることが、とても分かりやすく書かれており、これはなかなかに目からの鱗の内容だった。

    類例も多く参照してあり、自己家畜化したイヌやボノボの例も分かりやすく、とても興味深く読めた。

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    2022年11月05日
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    友好的なキツネの交配を重ねると、キツネの性質も変わり、見た目にも変化が現れるらしい。
    ホモサピエンスは自己家畜化によって友好的になり、見知らぬ人とも協力できるように進化した。反面、他の集団に脅かされたと感じると、相手を非人間化し、残虐な行為をする。
    とても興味深い視点だった。

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    2022年12月11日
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか

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    ネタバレ

    野生動物を選抜して交配し、飼い慣らす過程を家畜化と呼ぶ。それが自然淘汰を通じて起きた場合、自己家畜化という。キツネ、イヌ、ボノボなど。
    人の友好性は、自己家畜化によって進化した。
    ボノボはチンパンジーより友好的に自然選択を受けて自己家畜化した結果、協力する能力を獲得した。

    集団内の見知らぬ人でも仲間であることがわかる。一方、他集団に対する攻撃的態度は激しくなる。

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    2024年11月28日