映画監督 飯田基晴さんは上映会の後、一人のおばあちゃんから声をかけられる。
お金を出すので、動物達の命の大切さを伝える映画を作ってほしい と言うのだ。
ドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」の撮影を始めた飯田監督が目にした日本の動物達の現状とは…。
映画は日本のペット達の現状を知らない人達に見ても
...続きを読むらいたい作品になっているけど、
こちらの本はむしろ動物愛護に関わりたいと思っている人にこそ読んでもらいたい一冊。
飯田監督が撮影を通して感じた動物愛護に現場で関わっている人々の苦悩や葛藤が描かれています。
以下は本の内容ではなく、見かける動物愛護関連の主張に対する私見と疑問。
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無責任に動物を捨てるな!と言うのは簡単だけれども、
自分がペットを捨てざる得ない状況に追い込まれる可能性は絶対にないと言い切れるのか…。
動物達の殺処分が報じられると動物愛護センターには苦情や非難が殺到するというけど、
殺処分を止めてしまったら 毎日次々と運び込まれる捨てられた動物達であふれていく施設はどうなるのか。
命を売り物にするな、ペットショップで動物を売るなと言うけれども、
そうなった場合に売られていた子達がどうなるか知らずに発言している訳ではないはず。
その子たちは尊い犠牲なのか?それで本当に動物愛護といえるのか?
動物実験に反対するとして、
医薬品や化粧品を動物実験無しで人間に使った場合のリスクを
メーカーのせいにするのではなく、自分自身で負うことができるのか。
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などなど、本で書かれている 救える命を取捨選択しなければならない現場と
動物愛護で声高に叫ばれているスローガンの間にものすごい乖離を感じてしまった。
社会は少しずつしか良くしていけないし、
それは決して非難やバッシングで実現されていくものではないはずだ。