石川文康のレビュー一覧

  • カント入門
    「アンチノミー論」を軸とした解説。

    「太陽は東から上り、西に沈む」というテーゼと、「太陽は東以外の方位から昇り、その反対の方位に沈む」というアンチテーゼは、どちらも「太陽は地球の周りを回る」という誤った認識を前提としているゆえに、どちらも「偽」である。

    これとパラレルな理屈で、第一アンチノミーの...続きを読む
  • カント入門
    哲学初心者の立場から書評を書きます。そもそもカントの存在を知ったのは、本書では取り上げられていないコスモポリタン、あるいは永遠平和という概念におけるカントの貢献でした。そこからカントに対する関心が高まり、じゃあ勉強してみようと思って本書を手に取りました。全体的な印象ですが、「ギリギリ」入門書と呼べる...続きを読む
  • カント入門
     すでに鬼籍に入っているカント研究者による、ちくま新書初期のベストセラー。カント代表作『純粋理性批判』は既読だが、僕のような素人が一度や二度読んだところで理解できるはずもなく、またすぐに内容を忘れてしまう。本書のような哲学者の解説書は原著にあたる前に読むのが普通だと思うが、原著通読後に復習することに...続きを読む
  • カント入門
    カントの哲学を学ぶことができるだけでなく、カントが理性批判やその倫理学にどのようにして至ったかを学ぶことができる。アンチノミー論を軸として読み解いていくことからカントの理性批判への動向を理解できる。ただし入門と書かれているが、本当に初めて触れるのなら、純粋理性批判の概要や認識論の簡単な知識を頭に入れ...続きを読む
  • カント入門
    やー面白かった

    これ読みはじめて、うわ、これあかんわ、と、フランシス・ベーコンまで遡ったのは、あれは去年の末のほうか?戻ってきて読み終わるまでに半年以上かかってる、、、
  • カント入門
    世界は存在しない!時間や空間はない!

    相対性理論や量子論などが発見される前に脳の中の思考のみで宇宙の真理にたどり着いたカントがすごい。

    カント曰く時間や空間はないものであるということだ。あるとも言えるしないとも言える。ただし絶対的な意味での時間や空間というものはない。 人間から見た時に初めて時間...続きを読む
  • カント入門
    入門とはいっても敷居は決して低くないので、事前に予習が必要。こちらでカントの思考過程を踏まえれば、三大批判書にもチャレンジできるはず。少しずつ高みを昇るべし。
  • カント入門
    たいていのカント入門書は『純粋理性批判』の構成通りに解説が進んでいくが、この本はアンチノミー論(超越論的弁証論)を軸にして進んでいく。この構成のおかげで、カントがなぜ超越論的観念論という一見奇妙にも思える主張をしたのかがよくわかるようになっている。すぐれた入門書といえる。
  • カント入門
    カントを通して、目的と手段のエセ関係と根本目的を学ぶ。本文に回心とあるような、哲学する醍醐味を存分に味わった。たしかに生きることに厳格な哲学だ。真の批判だ。

    ・哲学においては定義は出発点ではなく、むしろ目標とすべき終着点。
    ・根本真理は原理的に証明不可能。
    ・アプリオリは先天的と訳すのではなく、経...続きを読む
  • カント入門
    ヒュームの著作と純粋理性批判を読みたくなった♪
    カントがヒュームとルソーに大きなトリガーを得ていたなんて・・・どちらも自分の好きな思想・理論の持ち主だったので、なおさら衝撃的でした^^
    因果律として捉えるメカニズムって、本当にア・プリオリなのでしょうか?ん~、純粋理性批判を読もう!(^_^)
  • カント入門
    「厳格」といわれるカント哲学を,カントの思索に沿って(少なくともそれを意図して)書いた本.膨大なカント哲学の体系の一部ではあるが核心を記述しようとしているところが,入門者としてはありがたい.

    理性が宿るのは「自律」にこそであるという.またそこにこそ道徳は存在する.人間存在に対し非常に厳格なことを要...続きを読む
  • カント入門
    難解なものは難解である。それでも、定言命法や仮言命法については「ちょっとわかったかも!!」という気持ちにはなれるくらいわかりやすく解説されている。
    そして、ここらへんがわかってくると後半の道徳や宗教のくだりもなんとなしにわかったような気分になる。
    もちろん自分の理解などは浅瀬でチャプチャプした程度で...続きを読む
  • カント入門
    カントの考え方を解説しているYouTuberさんの動画で基礎を身につけてから読むのが頭に入りやすいかも。
    読解力というものがつきそうなシリーズの人作品であることと、新たな視点を見るために最適ということからかなり面白かった。
  • カント入門
     通常「善」とされている諸々の徳はつねに相対的であり、この善意志を欠けば容易に悪徳に転じる。その証拠に、たとえば「勇敢」という徳も「沈着」という徳も、悪人――たとえば計画的殺人や銀行強盗――にとってはひとつの犯罪を首尾よく遂行するための不可欠の条件なのである。通念ではこれらすべての徳が「善」とされて...続きを読む
  • カント入門
    「どっかで聞いた気がするカントの説」を体系立ててコンパクトに解説する良書。カント哲学の内容そのもの難解さゆえ、初心の私には一気読みはできなかったけど、ポイント同士を繋げて有機的に解説してくれる筆者の文章のおかげで、朧げながら全体像を理解できた気がする。
  • カント入門
    ・仮象批判という視点でカントの思想の全体像がわかりやすくまとまっていた。もっと早くに読めばよかったと後悔した。
    ・第4章(真理の論理学)は読む前から予測していたものの、やはり苦手な領域で読むのにかなり時間がかかった。所々読み飛ばしていると思うので、今後時間をかけて理解していきたい。
    ・思ったよりすん...続きを読む
  • カント入門
    カント哲学への挑戦。懇切丁寧に解説してくれているのはひしひしと感じるのですが、それでもとてつもなく難解。何とかかんとか理解してやろうと必死に食らいつきました。

    特に「純粋理性批判」の内容に触れている前半部分は、結局何だったのと説明を促されても上手く表現できません。とほほです。また別の本やらネットで...続きを読む
  • カント入門
    結構難しかった。特に時間・空間の有限/無限のくだりは混乱した。

    定言命法、仮言命法はよく理解できた。
  • カント入門
    「哲学は難しい」というイメージを絵に描いたようなカント。

    わたしの経験では、「永久平和のために」は、あっさりと読めてしまったのだけど、主著とされる「純粋理性批判」は、全く歯が立たない。1ページも読めない感じですね。

    カント自身による入門書ということになっている「プロレゴメナ」も数ページでギブアッ...続きを読む
  • カント入門
    カントの入門書として分かりやすいと聞いたので読んでみた。
    「二律背反」という、聞いたことあるけど、あんまりよく分かってないことについて理解が深まった気がする。
    ただ、一度読んだだけでは、理解しきれていない感が否めない。
    また、再読するか、他のカントについての本を読む機会を持つ必要を感じた。
    けれども...続きを読む