森山公夫のレビュー一覧

  • 統合失調症 ――精神分裂病を解く

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    ネタバレ

    以前は「精神分裂症」と言われていた。
    しかしその病名には、「理解不能」「不治の病」「遺伝的要因」という誤ったイメージが染みついているため、15年ほど前に「統合失調症」とすることになった。

    名前が変わったことは知っていたが、やはり私もこの病気をイメージでしか知らなかった。
    緊張や不安からの自律神経失調、不眠などから発症するこの病気は、決して特殊な人間だけがかかるものではなく、しかし、今は心理・社会的治療と薬物療法で治り得る病気になっているのだそうだ。

    統合失調症に顕著にみられる症状として、迫害妄想(被害念慮)があるが、その中でも日本人に多く見られるのが対人恐怖症。
    これは三段階に分かれていて

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    2018年05月30日
  • 統合失調症 ――精神分裂病を解く

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    今、現在、統合失調症と呼ばれるようになったかつての精神分裂病と呼ばれていたものの変遷のようなもの。多少、専門的で新書レベルを超えている。精神科医に感じる違和感は仕方がないものがある。こういう風に言葉を使ってある程度定義し共有し共に考えていかないことにはいけない側面もあると思うからだ。著書は、おそらく優秀な治療者ではないかと思う。かつての定義では捉えられないものを治療可能なものとして捉え直そうというのはクライアントを思っての結果だと思える。やはり、精神の極北というようなレベルには、日常の共感性を超えていて、大変な仕事であろうなと思う。絶望的な印象を受けつつなんとか道を探ろうとする姿勢には敬意を覚

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    2017年12月18日
  • 統合失調症 ――精神分裂病を解く

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    薬理学の講義の中で、多少統合失調症に関する説明も受けていたけれど、それは、分子生物学的な観点を基調としたもので、本書の筆者の言うところの「人間学的」な視点は欠けていた。

    僕らは、DISC1だの、ドーパミン仮説だのと、客観的、科学的、物質的な視点から病気を見る立場に陥りがちだけれど、殊、精神科領域では、患者に向き合って、じっくり訴えを聞き、患者がどのような心的、外的な状況を経て今の状態になったのか、把握していこうとする姿勢が大切なのだと改めて感じた。
    特に本書では、主に筆者が体験した多くの症例が提示されており、大変興味深い。
    対人/社会恐怖様段階→幻覚・妄想段階→夢幻様段階
    という経過や、各段

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    2012年01月03日
  • 統合失調症 ――精神分裂病を解く

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    [ 内容 ]
    これまで、「わからない病」「治らない病」として差別的に扱われてきた「精神分裂病」という名称が「統合失調症」に変わった。
    過労・不眠によって心が閉ざされてゆく発病までの初期段階から、対人恐怖・迫害妄想の段階を通り発病に至るまでの経緯を解明。
    心・身体・社会という統合的視点から、この病を了解的に捉えなおす。
    汎精神疾患論のアプローチから、精神病理を解体する。

    [ 目次 ]
    精神分裂病から統合失調症へ
    1 精神疾患とはなにか?(精神の危機と自明性の喪失;狂と狂気;汎精神疾患論の提起)
    2 関係失調としての統合失調症(「精神分裂病」概念のはらんできた矛盾;迫害妄想論の展開)
    3 迫害妄

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    2014年10月30日