依田高典のレビュー一覧
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依田高典著「行動経済学」中公新書(2010)
完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする、これが経済学者が仮定している世の中です。しかし現実はこのような人間はほぼ存在しません。情報が多く、買い物をしたあとでもっと安いお店や商品を知って後悔する。正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗することがおおい。本書はこのような人間の特性の行動を考慮した経済である「行動経済学」について紹介をして、経済学という学問の中での「行動経済学」の位置づけを理論的に説明している良著だと個人的に感じます。経済学がすべて合理的なわけではなく、人間の心理的な要因も多分に世の中の動きに関わるとい -
Posted by ブクログ
伝統的な経済学は『完全に合理的で損をしない人間』をモデルに構築された学問。しかしそんな人間は果たしているのだろうか?人間は必ずしも合理的行動をする生き物ではない、時には感情的になったり、単に好きなものに突っ走ったり、ジレンマに陥ったり、弥縫策を講じたり、情に絆されたり。これまでの伝統的な経済学から脱却して、非合理的な行動を取る人間の行動を基に再構築した学問が行動経済学です。
残念なのは、行動経済学の歴史を遡って解説している紙幅が多く、また数理経済学?の解説も分かりにくくて、退屈に感じました。僕は数字弱いので読むのが苦痛でしたが(笑)反対に数字に強い人が読んだら面白く感じるかもしれません。
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Posted by ブクログ
ネタバレ人間の経済活動は感情に左右されるということを、経済学的な数式や様々な事例から解説した本。元々経済学における経済人(ホモ・エコノミクス)は効用最大化を合理的に追求することが前提になっている。
ところが、実際の人間の行動は非合理的ある。効用の最大化を四六時中考えているわけではない。その例としては、貯蓄に回すはずのお金をあっという間に消費してしまう、タバコやパチンコは損をするとわかっていながら止められない(嗜癖/アディクション)、つい食べ過ぎてダイエットに失敗してしまうといった行動に見られる。
そのことはハーバート・サイモンの「限定合理性」の説に表れています。すなわち、
①選択肢は -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
完全無欠な人間が完全な情報を得て正しい判断をする―これが経済学の仮定する経済人である。
だが、現実にはこのような人間はいない。
情報はあまりに多く、買い物をしたあとでもっと安い店を知って後悔する。
正しい判断がいつも実行できるわけではなく、禁煙やダイエットも失敗しがちだ。
本書は、このような人間の特性に即した「行動経済学」を経済学史の中に位置づけ直し、その理論、可能性を詳しく紹介する。
[ 目次 ]
第1章 行動経済学とはなにか
第2章 時間上の選択
第3章 不確実性下の選択
第4章 アディクション
第5章 ゲーム理論と利他性
第6章 行動経済学の挑戦
[ POP ]
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購入済み
ビジネスパーソンには不向き
数式がたくさん出てきてしかも縦書きで苦痛。
「今の一万円と一年後の一万円千円はどちらが得か」という命題を出してから歴史の話になり、例え話が出てきて、話が脱線してなかなか結論が出てこない。
時間が無くて結論重視のビジネスパーソンには向かないと思う。