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Posted by ブクログ
ユング派の心理学者である著者が、わが国におけるユング受容の経緯を踏まえながら、臨床的な立場に立ってユングの理論を解説した入門書です。
著者は、ユングの心理学だけを唯一正しい理論だとは考えてはいません。フロイトの精神分析理論は、3歳から30歳くらいまでの心の問題、とくに神経症の説明に有効であり、行動療法は、ある特定の病状の特定の時期におこなえば、他のどんな理論よりも効果があるとしています。これに対してユングの心理学は、人間の一生や、人間の心の全体性をとらえるためには一番ふさわしいと、著者は述べます。
ただし、錬金術やシンクロニシティに接近するユングの理論には、ある種のいかがわしさが付きまとっているのも事実です。この点で、わが国にユング心理学を導入した河合隼雄の功績は大きいと著者はいいます。河合は箱庭療法を中心に臨床的な経験を積みかさね、ユング心理学が治療法として十分な信頼を獲得することに力を注いできました。著者は、河合の箱庭療法や、著者自身が精力的におこなってきた絵画療法などを「表現療法」と呼び、そこにユング心理学の臨床的な可能性を見いだそうとしています。
Posted by ブクログ
臨床の「臨」とは臨在すること、隣にいることを意味する。そして、「床」はかつて「死の床」を意味していた。
つまり死の床にある人の傍にいて、この世からあの世に魂を渡す手助けをするのが「臨床」(クリネー)の本来の意味であった。だから、臨床家といつのは、かつては僧侶のことであった。
ユングというと、どうしても夢分析なんかの話が出てくるとどうしても、オカルトチックになりがち。
本書前半は、かなり思想、哲学、宗教色が強く、後半からようやっとユングの話へ。
後編の診断の具体事例紹介は、実に興味深かった。身近にあったことと、かなり重なることもあり。
カウンセリング心理学と対比して読むと、より理解が深まる。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
人には誰でも「生きられなかった人生の半分」がある。
その影の部分に光をあてて、「自己」を実現して生きることが人生の真の目的であると、心の医者・ユングは考えた。
著者は、自らの臨床経験を踏まえて、ユング心理学における無意識・夢・自己実現、クライアントたちとの心のドラマ、河合隼雄氏との出会い等を、平易な語り口で解き明かしていく。
本書で語られる「臨床ユング心理学」は、これまで気づくことのなかった人生の豊かな可能性を教えてくれる、新しい心理学である。
[ 目次 ]
序章 臨床ユング心理学への道
第1章 臨床ユング心理学の歴史
第2章 ユング心理学の基礎
第3章 ユングの個性化過程
第4章 臨床ユング心理学の実践
終章 臨床ユング心理学の未来
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