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Posted by ブクログ
関東の海に面した田舎町に暮らす女子高生・彩子は、存在が目立たず地味で無口な平凡な女の子。
幼馴染のミチは、田舎のビーナスと呼ばれる程の美少女で、彩子はミチの友達として知られていた。
彩子は、雨の匂いを嗅ぐと眠くなる。
その日も雨で学校でも頭が回らずに、美術の時間ではキャンパスを白紙のまま過ごしてしまった。
先生に宿題だと言われ、白紙のキャンパスを持ち帰ったが、雨の匂いが眠気を誘い再び眠り始める。
そして、彩子は不思議な夢を見る。
その夢で出てきた物を書かなければいけない衝動に駆られた。
何かに突き動かされ、寝ることも食べることもせずに一心不乱に一日でキャンパスを埋め尽くす。
完成した絵は、見るものを一瞬にして虜にする傑作だった。
その絵は、やがて日本中に知れ渡るようになったが、まったく同じ作品がすでに存在していた事が明らかになり・・・・。
数年後・・・。
彩子は、東京に出てきてOLとして地味に過ごしていた。
そしてある雨の日に、また不思議な夢を見る。
今度は、カセットテープを持ち出し、夢で出てきた音楽を録音した・・・・。
突然何かに突き動かされるように、傑作を産み出す彩子を描いた創作の根源を問う作品です。
ジャンルは、ん〜なんだろう?
ん〜SFかな?
奇才・飯田譲治は、本当に不思議な物語を書きます。
これお勧めしていいのかな?
ん〜個人的には面白いのだけど・・・。
Posted by ブクログ
(上巻)
田舎町に暮らす平凡な女子高生の彩子は、
ある晩不思議な夢を見る。
何かに突き動かされるように夢の光景をキャンバスに描きあげた彼女。
見る者すべてを魅了してしまうその絵は、
やがて日本中に知れ渡る。
しかし、全く同じ作品がすでに存在していたことが明らかになり、
彼女は盗作というバッシングの非難に遭う――――。
(下巻)
自分が描いた絵の盗作問題で心に深い傷を負った彩子は、
高校を卒業すると故郷を離れ東京で働き始める。
平凡に暮らしたいと願って生きる彼女に、
またあの夢が訪れた。
深い陶酔感に心が溶けるような夢の中に現れたのは、
今度は絵ではなく一曲の旋律だった――――。
2冊合わせても612ページなんだから、
別に分冊しなくても良かったのにと思ったけど、
そこは商売上の事あるんでしょうね。
平凡な女子高生が、特に絵の才能も無いのに、
有名なコンクールでいきなり特選を撮ってしまうという、
およそ考えられない物語である。
絵心もない素人が、絵筆の使い方も色の使い方も分からないのに、
いきなり傑作が描けるわけがない、と思ってしまったが、
それはそれ、あくまでもフィクションの小説ですからね。
おおきなイメージの世界がすべての人とつがっていて、
受け手の器によってその芸術のイメージを受け取るため、
ごくまれに同じイメージを持つ人がいるというのは、
何となく分かるような気もする。
私自身、音楽をやっていた頃は自分で曲を作っていたし、
それは何かを受け取るみたいに自然にメロディーが出てきた。
そのインスピレーションはイメージの世界からの電波を受信したからのかも知れない。
同じようなイメージを受け取ってしまう人も世界のどこかに居るかも知れない。
そんなことを考えてしまった。
Posted by ブクログ
上・下巻。
感想は同じものを掲載。
なんでわたしなんかにあの絵が描けたのだろう?
でも、あの時は本物だった。
わたしだけにあの創作の嵐はやってきた。
まぎれもなくわたしの手が動き、細胞の全部が反応したのだ。
一枚の絵に向かって。
自他ともに認める“平凡”な少女、彩子はある日、不思議な夢を見、起きてすぐに衝動に駆られて一枚の絵を描き上げてしまう。
見る人見る人がとんでもない感動を覚えてしまう絵を。
本人はただその絵が大切なだけだったけれど、周囲のひとが放ってはおかず、どんどん大事になる。
でも、実はその絵は過去に世に出た作品であった…あまりにもそっくりな作品であったため、疑惑ではなく、ほぼ確定という“盗作”の烙印を押されてしまう彩子の絵。
ただ、頭に浮かんだものを描いただけであったのに-。
一気に寄ってきていた人々は同じくらい急激に離れていく…勿論、離れずに彼女を支える人々の姿もそこにはあった。
幼なじみの友太郎、少年らしい少年、いいヤツ。
彩子を見守る読者としては根拠はなくとも彩子を信じる彼の姿に、救われた。
しかし、一転して、どん底に落ちてしまった彩子は誰も自分と絵のことを知るひとがいない都会へと移るが、そこでもまた“あの夢”がやってきて…。
アイディアが浮かぶ瞬間って、こういう感じなのだろうか。
創作に縁がない私にはイメージすることしかできないけれど。
“創造”とは、“芸術”とは何であるのか-?
すごく、不思議な感覚を味わえる小説。
そして、上記のことを含んだ上で、喜怒哀楽ある物語。
上下巻通して紡がれる彩子の一生を、見届けてほしい。
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