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第99代内閣総理大臣に就任した菅義偉氏が掲げるのが、「国民のために働く内閣」だ。
それを実現するために断行するのが規制改革、縦割り行政の打破である。
この改革の姿勢は、かつて務めた大臣政務官、副大臣、総務大臣から、
その後に内閣官房長官の職務を7年8カ月まっとうするまで一貫してきた。
本書は、2012年3月に刊行された単行本『政治家の覚悟 官僚を動かせ』(文藝春秋企画出版部)を元に、その後の官房長官時代のインタビューなどを収録した、菅総理の唯一の著書。
政治主導で官僚をどう動かすか。菅総理がこれまで実現させてきた数々の改革から、
政治家・菅義偉の覚悟が浮き彫りになる。
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多くの方に読んで欲しい本です
この世の中は当たり前のことが、変な事になっていることが多い。菅総理はおかしな事は、おかしいと言って、当たり前の状態にしようという極めて珍しい政治家である。実務家としては素晴らしい能力の持ち主であることがよく分かる本である。但し、それは総理としてよりは、副官向きの能力なのかも知れない。今後の活躍に期待したいと思う。
Posted by ブクログ
菅総理の政治家としての今までの取り組みがよくわかる一冊。官僚の縦割り打破、既得権益との戦い、前道続行など今までにやったことのないことへのチャレンジなど、すばらしい実行力だと思う。これが本来の政治家の仕事だと思うが、今までできていなかったということは、政治家が取り組んでこなかったからなんだと思う。野党を含めた政治家やマスコミや評論家といわれている人たちの責任は重いと思う。
「政治家が政策の方向性を示し、官僚がそれに基づいて情報や具体的な処理案を提供して協力する。政治家と官僚、すなわち政と官は本来そういう関係にあるべきです」p24
「官僚は、まず法を根拠とし、これを盾に行動します。一般国民からみると、理屈っぽくスピード感に欠けるでしょう。たしかに法律上は正しいかもしれませんが、国民感情からかけ離れているとの印象をもたれてもしかたありません。加えて、その体質として外聞を気にする傾向があります。端的に現れるのが、マスコミの自分たちに対する評価です。マスコミがどう扱うか、いつも気にしていて過敏な反応を示します。おそろしく保守的で融通のきかない官僚ですが、優秀で勉強家であり、海外の状況も含めて組織に蓄積された膨大な情報に精通しています。官僚と十分な意思疎通をはかり、やる気を引き出し、組織の力を最大化して、国民の声を実現していくことが政治家に求められるのです」p25
「(梶山静六)官僚は説明の天才であるから、政治家はすぐに丸め込まれる。お前には、おれが学者、経済人、マスコミを紹介してやる。その人たちの意見を聞いた上で、官僚の説明を聞き、自分で判断できるようにしろ」p26
「成功している市町村はいずれも地域の魅力をしっかりと見極め育てていること、そしてそれをマネジメントする人材がいることです」p40
「やる気になったときの官僚の頑張りに感心したものです」p82
「(NHK)6000億円の受信料を徴収するのに、徴収のための人員が5700人もいて、800億円のコストがかかっています」p136
「(道路公団民営化・ETC導入反対)後で事情を聴いたところ、騒音というのは実は方便で、背景には料金を徴収する職員の労働組合が絡んでいたようです。これを理由に機械化、人員整理などされては困る、と猛反対していたのでした。この団体は国土交通省の天下り先でもありました。実はこれがETCの普及を遅らせていた大きな要因のひとつだったのです」p162
「港湾のシステム:税関管理システム「Sea-NACCS」、港湾手続きシステム「港湾EDI」、乗員上陸許可支援システム、貿易管理システム「JETRAS」、食品衛生システム「FAINS」、植物検疫システム「PQ-NETWORK」、動物検疫システム「ANIPAS」などがありました。しかし、これらは独立していて、相互の連絡連携はなく、接続していなかったのです」p168
「「各々の省庁は、一本化すると影響力が下がる上に、天下り先がなくなるので反対しているんです。」と打ち明けられました。各省のシステムは退職後の受け入れ先でもあったのです」p169
「私が感じたのは、法務省と警察庁という同じ治安を扱う省庁でありながら、思ったほど仲が良くないということでした」p176
「(規制強化によりボーダフォンの売上低下を心配した英国大使の抗議)自国の不利益になると判断するや、すぐに交渉する。その行動力は大いに見習わなくてはなりません」p178
「海上保安庁長官を、職員の大部分を占める制服組から選んだのも、現場を知らない国交省キャリアが毎回長官を務めるのはおかしいという考えからです」p195
Posted by ブクログ
菅義偉が総理就任時に出版した本。既存の本やインタビューをまとめたものなので、総務大臣就任前後の話が多い。
菅義偉は優秀な仕事師なんだろうけど、特に何かビジョンを持っているわけではないという印象を受けた。熱心に取り組んだ様々なコストカットや縦割行政の打破、競争原理の導入はそれ自体は手段でしかなく国家の目指す目的ではない。
安倍晋三の『宿命の子』を読んだ後だけに、スケールダウン感は否めなかった。年金問題や高額な家賃を支払い続けていた独立行政法人への対応は流石だとは感じたが…。
安倍晋三という、理念を持った総理の下で働く機会を得たからこそ彼は輝けたのだろう。
Posted by ブクログ
長期に渡る第二次安倍政権を支え、その後任として自民党総裁・内閣総理大臣に選ばれた政治家のお話です。
内容の半分以上は政権交代間もない頃に書かれたものが多いとのことだったが、彼の政治家人生の中で、いくつかの重要な制度の改善について関わったことが示されていました。読むと、なるほど。確かにそれは変えてよかった。と思うところも多く、菅義偉という政治家が有能であることがわかるエピソードが多く見られました。強権的な官僚に対する働きかけも、官僚のことをよく理解しているからこそのアクションであることがわかります。(それが良いかはさておき)
一方で、それ以降の文章では、総裁選期に彼がどこでも言っているようなことが羅列されており、物議を醸している「自助・共助・公助」以上の国家像がよく見えない印象がありました。
菅氏は総理大臣就任後、いくつかの目玉政策について着手しており、特に行政のデジタル化については期待を感じさせます。一方で、コロナ対策については、そもそもコロナ自体が世論を二分していることもあり、なかなか「当たり前の実現」を感じるようなアクションがないように思えます。彼が国民の「当たり前」を実現できるか、次の衆院選までじっくりウォッチし、折に触れてこの本に戻ってみようと思いました。
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