無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
■引きこもりのきっかけは不登校というイメージを持っている人もいるが、内閣府の調査では引きこもりのきっかけが小中高の不登校という人は18.4%に過ぎない。大学になじめなかったという人を合わせても22.4%。
・一度は仕事に就いた後に引きこもりになったというケースが主流
■親兄弟への暴力と他人への暴力は全くの別物。
・親への暴力は甘えが根底にある
・兄弟への暴力は兄弟自信に何かされたという直接の恨みの場合もあるが親へのアピールや幼少期に比べられたなど甘えと家族間の歪みからくるものの方が多い
・(親兄弟への暴力は)無差別の攻撃性を持ち合わせておらず他人に暴力が向かうことはない
■本人の意思をすべてと考えるべきではない理由。
①社会経験や知識のなさ。
・本人の希望だからとそのまま聞くのではなく親や周囲が客観的視点で判断を助けていく必要がある
⓶本人も引きこもり支援の素人である。
・親は引きこもり支援の素人であるが本人もそうで過半数の人は正しい判断ができない
③引きこもっているうちに思考も体も鈍る。
・変化のない生活をしていると変化への恐怖心が高まる
・「引きこもりの心と身体」になり心身共に動きが鈍くなり楽な方へ流れがちになる
④「意思がない人もいる」
・最初はどうしようと色々考えるが引きこもって何年もたつと何も考えなくなる
・そもそも若い世代や引きこもり傾向のある人はあまり欲がない人が多い
■不登校対応の主流であった「信じて待つ」は怪しい。
■「親子の分離」「親離れ子離れ」(が大切)
■現在では退職からの引きこもりが多い。
■「社会力」とは「社会を作っていく力」
・「社会性」は今ある社会に適応する力であり「社会力」とは人とつながる力でもある
・「社会性」が今の社会の維持だとすれば「社会力」は既存社会の革新
・今の社会に適応しているかどうかは関係なく人とつながり自分の社会を作れれば社会力があると考えることができる
・社会に適応できなかったとしても社会力が高ければ自分なりの小社会を作ることができる。それなら引きこもらずに済む
・「社会力」は「多様な他者との相互行為(二人以上の人が互いに働きかけ行動のやり取りをすること)によって培われる」(門脇厚司氏)
■「社会力」を形成するステップ
・第1ステップは0~3才(笑顔を向けられたら笑顔を返し話しかけられたら応えることが相互行為)
・第2ステップは4~25歳頃。学校へ入り広がる世界の中で「次から次と目の前に現れる見知らぬ人たちとの相互行為に次ぐ相互行為」で社会力が形成される
・第3ステップは20代後半~定年を迎える60歳頃。身に付けた社会力をここで発揮し社会生活を送っていく時期。一部の人は更に社会力を高めるが多くは社会力の形成はストップして同じ行為を繰り返す
■常に多数派の立場でいて声が大きい団塊の世代やその上の学生運動を経験したような世代は上の世代にぶつかり自己表現をしていた。そのため自分たちの作った社会に異論があれば下の世代が反発してくるはずなので、何もなければこれでいいと思いがち。しかし、下の世代はそもそも強い主張をすることがない。この構図は親子間でも見える。団塊の世代以上の親は意見が強く、こどもは根拠の薄い自分の意見をはっきり言うことはできない。この世代間の傾向は今後も変わらないだろう。
■引きこもり問題はゼロにならないが、100万人という現状からは脱することができるはず。それには、引きこもりの多様化を認識し、支援の多様化を推し進めるとともに生き方の多様化の定着が必要。そのためには上の世代は子供世代の生き方を否定しないことが大切。
■長い引きこもりの多くは自分の生き方に向かう途中でつまずき動けなくなっている状態。多様な生き方が定着した中でその人が社会力を備えていれば自分に合った生き方を模索していける。ゴールに多様性がなければその途中にも多様性はない。生き方の多様性は新たに引きこもる人を減らす。
Posted by ブクログ
タイトルにインパクトがあるので思わず買ってしまった。ま、著者(編集者?出版社?)の策略にまんまとハマったわけですが、引きこもりの人がなぜコンビニには行けるのか、なんてことは書いていなかった。それによく考えたら、引きこもりの人がこのタイトルを見ると、「なんだよ、コンビニ行っちゃいけないのかよ」と傷つきそうな気がするな。ちょっと悪いな。
しかし仕事上、引きこもりの人の気持ちも分からないといけない場面があるので、参考になる視点も多々あって良かったです。
著者は教育学や心理学の研究者とかではなく、引きこもりの支援をしている団体の、一職員という立場。ながらく支援に携わってきた経験に基づいて、日本の引きこもり支援の在り方や問題点を書いている。ご本人もきちんと、「あくまで経験」「自分は学者ではない」と断りながら書いており、統計に基づいた裏付けなどはないのだが、かなり長期にわたって支援を続けており、説得力があります。
日本社会は本当にきゅうくつ。本当は、心身ともに疲れ果てたら、数年引きこもったっていいはずだ。自殺という選択よりずっといい。問題は頑張って受験して入った学校が合わなくて中退したり、就職先でうまくいかなくて辞めてしまったりしたときに、必要以上に罪悪感を感じたり、やりなおしがきかなかったりすることだ。それで引きこもりが長引いてしまう。長引けば長引くほど、社会復帰が難しい。頑張り続けなければダメ人間みたいな世の中、学校教育…。
社会は変わりつつある。多様な生き方が認められ、選択肢も広がりつつある、と思いたい。それが引きこもりの問題の解決の糸口になれば良いのだけど。
Posted by ブクログ
引きこもり支援を行うNPO法人、ニュー・スタート事務局の事務局スタッフである久世芽亜里さんの著。
目次からの引用ではなく、私が読んでみた全体の流れとしては、
1章:引きこもりに関する調査データとともに引きこもりの実態について
2章:相談先、実際の支援についてのアウトライン提示
3章:ニュー・スタートプロジェクトの詳細説明
4章:親の心構えと行動
5章:時代背景と総括
という感じになっています。
引きこもりについて長年支援されてきた著者だからこそ書ける「感覚」の部分が本書では貴重な情報だと感じました。引きこもり関連の本を他に読んだことがないので信憑性はかなり薄いとは思いますが、引きこもりをああしましょう、こうしましょう、ではなく、実際に支援する側として「こういう実態がありますよ」「親の問題点にはこんなところがありますよ」と提示してくれる感じの内容です。
実際に引きこもりについて何か情報が欲しいと思っている当事者であったり、その近辺の人たちには勿論のこと、一般常識として引きこもりとはこういうこと、という知識を得るためだけに1章あたりは読んでみて良いと思います。
引きこもりというと「社会に適合できなかった特殊な人」という風に見られがちですが、実はそうではなくて、いじめによる不登校などから引きこもりになる人達よりも、社会人になってから人間関係につまずいたために引きこもってしまう人たちの方がよっぽど多いという事実にはこの社会の闇を感じざるを得ませんでした。
背景に発達障害や病気などがあるのも事実だとは思いますが、最終的に「コミュニケーション能力」で片付いてしまうような問題が日本社会にはゴロゴロしていて、就活問題と引きこもりは表裏一体でもあるし、孤立した高齢者と8050問題も表裏一体なんですね。
必要なことは「マトモ」「普通」のレールに戻ることではなくて、自分が社会と関わって生きて行ける状態になること。
この本を読んで、改めて自分の人生観というのでしょうか、社会の一部としての感覚を問い直された気持ちがしました。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。