あの鬼のモデルとなった人物は? 「約束」や「原初信仰」の謎を解く鍵は? 数々の名シーンを引用しつつ、文学研究者が徹底考察! ファン必読の一冊!! 累計発行部数2,100万部超を誇る大ヒット漫画『約束のネバーランド』。その意表をつく展開や複雑な頭脳戦といった要素から、「少年ジャンプらしくない」と評されることもある同作ですが、その物語の背景には、多彩な文学作品や宗教に関する膨大な知識が踏まえられていることが窺えます。本書は、そんな大人気作品『約束のネバーランド』を、気鋭の英米文学者が学術の立場から読み解こうと試みた考察本にして、英米文学・文化への最良の入門書です。同作の名場面を豊富に引用しながら、数々の謎の核心に迫っていく、ファン必読の一冊と言えるでしょう。なお、本書はあくまで「週刊少年ジャンプ」編集部から許可をいただいた上で、『約束のネバーランド』を作中の手がかりをもとに、英米文学者の視点から読んだ、いわば第三者目線での考察本です。よって、原作者の白井カイウ先生や出水ぽすか先生の真意を紹介した「公式解説本」とは性格が異なります。加えて、原作の終盤にかけての「読み解き」を含むゆえに、ネタバレを多く行っているので、あらかじめご注意ください。
Posted by ブクログ 2020年10月11日
約束のネバーランドが好きで、タイトル買いした本書。
英米文学者である著者も約ネバのファンなのだと強く感じられる考察で、改めて約ネバの良さを言語化してくれる作品です。
P64の、心理戦を駆使したサスペンスである脱獄編、本筋の謎に触れつつ戦略を駆使したアクションの猟場編、そして歴史ファンタジーの様を呈...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年04月04日
めちゃくちゃ面白い「約束のネバーランド」という漫画を、英米文学者の視点から見ると、更に深く読めるよという本。
・イギリス児童文学の「ピーターパン」や「不思議の国のアリス」との類似点
・ユダヤ教やキリスト教との共通点
・ジェンダーの考え方
等々、次「約束のネバーランド」を読む時に向けて、面白く読める...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月24日
『約束のネバーランド』
1巻が話題になり始めた頃から読み始め「これは面白いわ」と追いかけ続けて、次巻でいよいよ最終巻。
序盤の閉じられた世界のサスペンス的展開から、開かれつつも閉じられた世界に対するアクションファンタジーとジャンルを横断する。
そうした物語の展開はもちろん面白いのだけど、人間と...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年07月25日
ー このように、貴族鬼達の倒錯した欲望の対象となる食用児達の状況は、まるで「母親」によって管」理され、不自由だが安全に守られた家庭で暮らしていた無垢な子供が、やがて大人へと成長するため「外」の世界へと飛び出し、その結果、「男」達による暴力や欲望の対象となり、翻弄されるという、子供から大人への成長の過...続きを読む