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Posted by ブクログ
竜王戦本戦4回戦。カイザー率いる「The John」のAI「餓狼」。しかし盤の向こうにいるのは、どう見ても山野辺彰人だった。遺伝情報は使われていないというが、その指し回し、その間合い、その圧。すべてが山野辺永世竜王そのものだ。
かつての記憶を揺さぶられながらも、相手はあくまでAI。しかも世界最大級AI企業群「ペンタゴン」の一角。苺ですら劣勢を意識する。そこで選んだのは、我慢に我慢を重ね、局面を混沌へ引きずり込む戦い方だった。読みの純度では届かない相手に、複雑さで対抗する。
確かに「餓狼」はその罠にはまりつつあった。――はずだった。だがある瞬間、盤の向こうの山野辺が変わる。それは単なる覚醒ではない。まるで山野辺その人が憑依したかのように、AIが人間へと近づいていく。
盤外ではシンギュラリティを巡る思惑が交錯するが、盤上で起きているのはもっと静かな変化だ。「餓狼」は強くなっているのではない。山野辺そのものになろうとしている。もはやこれはAIが人を超える物語ではない。人がAIに内包される、その瞬間を描く物語だ。
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