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国民的ヒットが出ない、CDが売れない、加えてコロナ禍…危機の本質は、日本のポピュラー音楽の歴史を総括しなければみえてこない。この30年間で何が起こり、何が変わったのか。音楽界全体を熟知する音楽評論家が「売れなくなった」原因を多角的に分析しつつ、ピンチをチャンスに変えていく方策を提案する。
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Posted by ブクログ
数年前に、来生たかおさんがこの方のイベントに呼ばれてライブを行ったことがありますね。 若いころから音楽評論家として活躍し、 いまも大人のための音楽を広めるための活動を精力的に行っているそうだ。 文章だと自分が書きたくないことは避けてしまうため、 あえてタブー無しの聞き書きという形をとった。 CDが売...続きを読むれない、というよく聞く話にとどまらない、 音楽業界の内実と問題点、それをどう打開すべきか、が次々語られる。 タイアップありきで、目利きを育てる・素材を見出すことを怠っていた企業のツケ。 今も世に潜むであろう天才を拾い上げることができていない。 若い世代の音楽については若いものに任せつつ、自分のフィールドで、 今一度花を咲かせようと、目立たないけれど長く音楽を続けている大人世代を 掘り起こそうと動いている。 「トライアウト」という表現は少し刺激があるけれど、 確かな実力と円熟味をもつミュージシャンに目を向けるのはアリだと思った。 受け手となる側の世代も数が多く、CDのほうが馴染みがあるし。 J-POPでも歌謡曲でも演歌でもない、エイジフリーミュージックの可能性。 「好きなものはずっと変わらない」ので、 年を重ねたから演歌や童謡を聴くわけでもないだろう。 リスナーの気持や好みは当時のままで、 今もそれをブラッシュアップしたものを求めているはず。 一方で、音楽系の学校で若い人への教育を通じて、 音楽でメシを食っていける人材を育てるための活動も行っているとか。すごいな。 コロナ禍で浮き彫りになった数々の問題を、是正していく好機ととらえ、 音楽業界を再び元気づけようという強い思いがあふれる本。 今までの、惰性で続けていたやり方を見直すことができれば、 潜在的なマーケットはあるし、届くところはあるだろうと思える。
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音楽でメシが食えるか? 富澤一誠の根源的「音楽マーケティング論」
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