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戦後アジアをリードした日本経済。しかし20世紀の終わりから長期停滞に陥っている。一方、中国を筆頭にASEANなどのアジア諸国・地域は躍進し、21世紀は「アジアの世紀」とされる。日本の家電メーカーなどの凋落と、中国はじめアジア企業の急成長に象徴される激変の本質は何か。「グローバル・バリューチェーン」「インテグラル/モジュラー型」といった鍵となる概念をわかりやすく解説し、日本の活路を示す。
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Posted by ブクログ
製造業はこれから? 製造業に関わる機会があり、今までは大量生産を東南アジアで行うことで単価を下げてた事を知る。これからはそれは通用しないようになってきてるのを感じ、東南アジアの経済がどうなってゆくのか知りたくてこの本を選んだ。過去の日本からこれから東南アジアとどのような関係を築く必要があるのか?学べ...続きを読むる1冊
おもしろかった。渦中にいる間は、わからず、何年もたって歴史になって腑に落ちるってことがあるんだなと感じました。 「まえがき」 アジアの発展とは、地域を広範にまたぐ国際的な生産分業体制、グローバルバリューチェーンと説く。 ものづくりが大きく変化し、日本企業がアジアの企業に追い越され始めたことが象徴で...続きを読むある。 キーワードは以下です。 冷戦終結までは、日本一極で、繊維、鉄鋼、家電が、NIEs、ASEANに産業伝播していった。 通貨危機がもたらした、短期投資から、海外直接投資(FDI)に向かった 21世紀はアジアの世紀 FDIがもたらしたものは、地域への浸透を図る「水平型直接投資」と、工程を多国に分散させる「垂直型直接投資」 近年の国際貿易と投資の重要性がFTA,EPAで高まった。 グローバル・バリューチェーンは、工程を分割するフラグメンテーションと、分業化によって地域に集約されて発展していくアグロメレーション(秋葉原の電気街の大規模なもの) ものづくりが、日本の得意とするインテグラル型から、複数の部品を組み合わせるモジュール型にうつっていき、日本の強みが失われていく 生産・流通体制の高度化は、工程・製品・機能の3つ 成長し続けるアジアは、「世界の工場」のみならず、「消費者」、「投資家」としての存在感もましてきた。 日本にFDIすることはむずかしい。会社設立の煩雑さ、言語などが原因かもしれない 結論は、日本は複雑なものに強いのでそれを強みとして生かす。日本の強み暗黙知を積極的に伸ばして、多極化、変貌を遂げる です。 構成は、次の通りです。 まえがき 第1章 「日本一極」の20世紀 第2章 アジアの21世紀はいかに形成されたか 第3章 グローバル・バリューチェーンの時代 第4章 なぜ日本は後退し、アジア諸国は躍進したか 第5章 もう一つのアジア経済 終章 アジアの時代を生き抜くために
日本がいつのまにか、気が付いたら経済の一線から転げ落ちようとしているところにあって、反対にずっと長い間にわたって日本が指導してきたといえる東アジアと東南アジアの国々が実力を発揮するようになった。本書はその経緯を丁寧に整理し、そしてさらにこれからの日本の立ち位置を考えさせる思考の書である。 197...続きを読む0年代を経て日本が世界経済の主役のひとりとして、その製造業の類まれな生産性を武器に活躍していたわけだが、2大製造業のひとつであった家電産業が凋落の一途となり、もうひとつの自動車産業がこの先どうなるかで日本経済の行く末に大きな影響が出る。自動車産業でなくても打って出なければならないことは、なんとなくそう思ってわかっているのだが、できない現実が日本である。 何が道を塞ぐのか。
21世紀のアジア経済の発展と、その足掛かりとなった、20世紀におけるアジア経済の発展における日本の役割を説明した本、といえると思います。 それらを理解するうえでカギとなるのは、バリューチェーンの変化(国際分業への変化)、工業製品の製造過程におけるインテグラル型からモジュラー型(モジュール型)への変...続きを読む化、フラグメンテーションやアグロメレーションなど。 アジア経済において日本の占める割合は、年々小さくなっているわけではありますが、著者によれば、決して悲観する必要はない、とのこと。 現在のアジア経済のあり方を踏まえ、これまでの日本経済の発展における強みを活かす形を作ることが、日本経済復活のカギ、といえそうです。
アジアの中では部品車など一部の先端品でしか差別化要素がなくなり、サプライチェーンの一部として埋没していく日本。
雁行形態論 中国共産党によるアジア=中国の市場切り離し 日本の一極体制下のアジア経済秩序へ 輸入→国産代替え→生産量拡大→輸出 ⇒より高度なもので同様逆V字サイクル キャッチアップ型工業化 後発性の利益 開発プロセス経ずに早く効率的に導入 FDI 海外直接投資 1985年プラザ合...続きを読む意後、輸出から海外工場へ、迂回輸出 アジアの成功体験が中国の「改革開放」(1978年~鄧小平)路線へ 朝鮮戦争後、ソ連から重化学工業、計画経済を導入するが挫折 毛沢東 大躍進政策→工業に人手奪われ農業生産低下で食糧難→資本主義復活 →1966 文化大革命→1976 死去 「四人組」逮捕 改革:市場メカニズム段階的導入 解放:経済特区設定 中国自動車市場は世界最大 2017年2912万台 世界の30% 2000年比で17倍 2位アメリカ1758万台、3位日本523万台 GDP 1884年から33年間 世界2.3倍、アジア4.3倍 世界GDPのうちアジア13か国で27%≒北米経済圏 28%<EU 21% 1993年に日本の1/10以下だった中国GDP、2017年は日本の2.6倍 フラグメンテーション 生産プロセス別に国境を分断 知識集約/汎用技術/労働集約 サービスリンクコストの発生 アジア圏内の中間財の貿易の増加 ファーウェイ P30 Pro 金額ベースで日本企業23%869点、中国企業38.1%80点でトップ 最高価 中国京東方科技BOE有機EL 84ドル マイクロンDRAM 41ドル プロセッサ 中国 海思半導体(ハイシリコン)30ドル 日本一極から多極化時代へ インフォーマル経済 世界の半分以上の労働者 グローバルバリューチェーン アジアで起こる問題は私たち自身の問題 選ばれる日本へ ユニークポジション コアコンピタンスの継続的なイノベーション 日本の「暗黙知」 ソフト面のノウハウ 裏方的な総合的管理能力
日本の高度成長に始まるアジア経済の成長とそのなかでの日本の後退を概説したもの。楽観論でも悲観論でもない叙述が説得的。インフォーマル経済を貧困と成長との両面から分析した章も、面白かった。高度成長期の日本にも、このような世界が広がっていたのだろう。
20c及び21cにおけるアジア経済の構造が整理されており、勉強になった。暗黙知の可能性について触れている点が新鮮だった。
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アジア経済とは何か 躍進のダイナミズムと日本の活路
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