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武器商人として活躍した父から受け継いだ莫大な資産を惜しみなくつぎこみ、日本初の学術財団「啓明会」を設立し、柳田国男ら錚々たる学者の研究を支援。アメリカからブラックバスを移入し釣りの世界で名を馳せ、弟たちと日本のゴルフ草創期を牽引。樺山愛輔や吉田茂をはじめとする華麗なる人脈を持ちながら、ほとんど何も残さずに世を去った実業家、赤星鉄馬。評伝に書かれることを注意深く避けたかのようにさえ見える、その謎に満ちた一生を追った本格ノンフィクション。
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Posted by ブクログ
アントニン・レーモンド設計の旧赤星鉄馬邸の一般公開が終わる5月16日直前の日曜日に慌てて吉祥寺に向かいました。ものすごい行列でしたが、でも戦前の富裕層の日常生活の空気をちょっとでも吸った気持ちになり大満足でした。レーモンドのお師匠さんのライトの設計による自由学園明日館の公共性や、現在、庭園美術館にな...続きを読むっている旧朝香宮邸のアールデコの芸術性とまた違う、人の暮らしを感じさせる建造物でした。と、いうことでここを建て、生活していた「赤星鉄馬」という人物に俄然、興味を持った訳です。ん?その人の本、だいぶ前に積んでいたよな、ということでの本書。めちゃくちゃ労作の名作です。以前、考古学者の本(たぶん「生命の大進化40億年史 古生代編」…)を読んでいて、今、化石として見えるは骨とか甲殻とか硬い部分だけであって体液とか内臓とか柔らかい部分は消え去ってしまい、想像するしかない、みたいなことが書かれていたような気がするのですが、まさに「邸宅」は化石であり(それも、維持が難しくなっていますが…)その中の放っておくと永遠に見つけられなくなるものがこの本には満ち満ちています。今は誰も知らない、たぶん行列している人のほとんどが知らない「赤星鉄馬」というお金持ちの人生がインタビューや資料の掘り起こし、そして想像も含め丁寧に復元されています。そもそも著者が向き合ってきた沖縄文化研究の先達の資金援助をしてきたのが彼の創設した「啓明会」という学術団体である、という発見がこの本が生まれる発端なのです。「売り家と唐様で書く三代目」という揶揄の言葉がありますが、意識的に消えようとした二代目の人生は、まさに富裕層ネットワークの記録でもありました。体液、内臓というより国内外を超えた人間関係という神経系を一本一本蘇らせています。部分的に言うとエスタブリュッシュメントにとってのゴルフの意味を改めて感じました。なんで今でも偉くなった人が東京ゴルフ倶楽部に入りたがるのか、わかります。武蔵野市が旧邸宅をどう活用するか、と、この本が出たことで「赤星鉄馬」はたぶん、次の時代にも「化石」として残っていくはず。
赤星鉄馬の名は、ルアーフィッシングに熱中して関連雑誌や書物を読み漁っていた頃に知っていたが、最近は忘れていた。ブラックバスを日本に持ち込んだ人としての記憶だが、日本の近代化に大いに関わっていた事を本書で知るところとなった。 カリフォルニアワインの長沢鼎も赤星鉄馬と親戚とは、こういうリスクテイカーがエ...続きを読むスタブリッシュメントを創成するという事だろう。
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赤星鉄馬 消えた富豪
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与那原恵
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