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なぜ人々は戦争の歴史でいがみ合うのか。なぜ各国は戦争の歴史で争うのか――日本近代史の碩学が学生との対話を通じて「歴史」と「記憶」の意味を深く探っていく。ニューズウィーク日本版で大反響を呼んだコロンビア大学特別授業、待望の書籍化。主な内容「戦争の記憶」の語られ方/「歴史」と「記憶」の違いとは/変化する「共通の記憶」/それぞれの国で語られる「第二次世界大戦」/日系アメリカ人の物語が認知されるまで/「記憶の領域」には四つの種類が存在する/クロノポリティクス――現在が過去を変える/慰安婦問題が共通の記憶になるまで/誰が記憶に変化を起こしたか/記憶を動かす「政治的文脈」/戦争の記憶は、自国の都合のいい形につくられていく/アメリカが原爆を正当化する理由/自国の「悪い過去」にどう対処すべきか/過去と未来に対する個人の「責任」ほか
...続きを読むPosted by ブクログ 2023年08月29日
歴史について考える際に歴史と記憶に分けるアプローチは新鮮でした。
歴史を自国に都合のいいように記憶として解釈するのは世界共通であり、簡単に他国の歴史認識を批判するが、歴史や記憶は相対的であり時代と共に変化し得るもの。
つい自分たちの理解が正しいと思ってしまうが、戒めのために歴史を学ぶ際に常に置いてお...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月04日
私が本を読む理由の一つは「なぜ戦争が起こるのか」それを一つの方向からでは無く、各国=多数の折り重なる歴史の中から原因を探ってみたいと考えているからだ。だから著者の国籍に関係なく戦争に関する本を兎に角読み漁り、地政学や時には人間の心理を知るために心理学や精神医学の本まで漁っている状況だ。私はインターネ...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年03月24日
戦争の「歴史」として一般に語られるのは「記憶」であって、事実として公式に記録された「歴史」ではない。「記憶」は国や立場、年齢などの違いで異なる内容であり、それは変わってゆくものでもある。自分たちや他国・他者の「記憶」が、それぞれどのように作られてきたものか(個人の経験、公式の記録、マスメディア・・・...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年10月14日
戦争は無くなれ、と、こうした本を読むと常に思うが、無くならないのは何故か?
戦争をしたいかと聞かれたら、みんなしたくない、あって欲しくないと答えると信じているが、戦争に踏み切る人々がいるのでしょう。
この本にあるように若い世代の様々な国の出身者を交えて世界中でこうした対話をして、歴史を学ぶと少しずつ...続きを読む
Posted by ブクログ 2019年08月15日
-記録の歴史から記憶の歴史-
慰安婦に関しての自分の認識は、歴史というよりも外交力学の道具という程度だった。コロンビア大学での学生と歴史学教授の対話で得た新しい視点は、歴史を作る新しいプレイヤー、カルチャー(というよりコモンセンス?)。意外だったのは80年代以前まで、韓国内で慰安婦を語る事は韓国政府...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年01月03日
2017年11月から翌年2月までコロンビア大学にて日本近現代史を専門とする著者を囲んで行われた全4回の学生との対話を本にしたものである。学生は日本を含む多国籍な出自を持っているが、発言に相応に生まれ育った国の影響が見て取れるのが面白い。一方で、その発言はグローバルな共通理解の範囲の中にあるとも言える...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月09日
慰安婦について、「もうお金を払ってるし、お互い納得したので解決済み」とする、やっと最近になって日本で出てきたストーリー的なものを、韓国では教育レベルで刷り込んできたんだろうなあ。
韓国人学生の物言いに淀みがない。
上記の事実に対してもそれが何か、と言った感じだ。
この対話の中でも歩み寄りみたいなもの...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年03月14日
著者は明治時代から現代までの日本の近代史を専門とする歴史家。コロンビア大学で行われた特別講義で、著者は様々なバックグラウンドを持つ若い学生たちと第二次世界大戦について議論する。
過去を語るにあたり、「歴史」と「記憶」で分けて考えることにしているという。「歴史」は史実として歴史家や学者が歴史書に書く...続きを読む
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