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新たなる送儀師、試される覚悟――。葬儀の傷が癒えぬアルピは、立ち寄った食堂で送儀師を探す青年と出会う。葬儀を引き受けたアルピだが、精霊は彼女の手では負えぬほどに呪いを撒き散らしていた。八方塞がりで為す術のない彼女の前に、褐色の肌の送儀師が現れる――。
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Posted by ブクログ
第1巻を読んでアルピの苦しさに寄り添う人間が現れて 欲しいと思ってしまった自分だけど、この第2巻で現れたのは寄り添いつつもアルピに葬儀師としての道を示す力強い少女だったね 第1巻の時点で自分の身を顧みない危険な葬儀を繰り返していてたアルピ。自分にはそれがプロとしての矜持に見えていたけど、一方でそれ...続きを読むは依頼する側からしたら不安感を覚える姿だったようで そういった意味ではスマートに葬儀を執り行うセルセラの方が依頼する側としては信頼できるのだろうな。 こうなってくるとアルピは自分の矜持を他人に押し付けているように見えてしまう。それもその筈でアルピがセルセラに明かしたようにアルピが信念として掲げているのは精霊を慮った葬儀を行うという矜持の他に葬儀師であった父と母の想いを知りたいという個人的な事情も絡んでいる。それは時として依頼者を無視してしまうものに繋がりかねない このような状態だから、セルセラと旅を共にした経験はアルピにとって尊いものになったんじゃなかろうか セルセラって葬儀師としての技法に熟達しているだけでなく、葬儀師の先輩として呪いを引き剥がす際も強がってみせるのだから相当なもの ……だというのにアルピと同じ土俵で張り合って疲れ切ってしまう様子は面白おかしかったけども(笑) 第9、10話で二人が向き合うことになったトムナグ・ワトの事情は非常に難しいものだったね 精霊から与えられる恩恵を認識しつつも同時に降り注ぐ脅威から身を守るためには、もしかしたら精霊を殺してしまうかもしれないと知りつつ精霊を攻撃しなければならない。 精霊を第一に考えるアルピからすれば許せない行為。だからといって脅威に身を晒しては大勢の人が死んでしまう 恩恵と脅威のバランス。これは割り切らねばならない代物。だからこそ、割り切れたセルセラや族長のセキは迷いなく精霊に立ち向かえる訳だ でも、自分が望むまま素直に多数の幸を願うアルピは割り切れなくて…… 割り切れないアルピだから割り切っているセルセラを傷つけてしまった。もしかしたら割り切れないアルピだから精霊の葬儀を行えるかもしれない 精霊を殺してしまったと悔やむ兵士たちを前にしてのアルピの葬儀は一つの正念場となりそうだ
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