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福岡伸一氏推薦! 生命は大きく変わらないように絶えず小さく変わっている。生態系という動的平衡は大激変から回復できるのか。物言わぬ生きものたちが問う「復興とは何か」。2011年3月11日に東北を襲った巨大津波は、生き残った動植物の生息地をも激変させた。死滅するカエルの卵、真夏に枯れゆく木々、姿を消した絶滅危惧種のトンボたち……。しかし津波の影響がかつてない規模になったのは、人間による隙間のない土地利用が原因だった。「復興」の名のもと、急速に進む土木事業は、本当に東北の「豊かな自然」を回復できるのか。震災直後から生きものたちの消息を追って東北全域を奔走した著者が問う「真の復興とは」。(ブルーバックス・2012年4月刊)
...続きを読むPosted by ブクログ 2015年11月13日
読み進めるにつれて、著者が被災地に配慮してあえてオブラートに包んでいる“本当の意図”がいろいろな行間から滲み出てくるような気がしてならなかった。
東北地方の海岸線には、防風や防砂、そして景観維持目的でクロマツが多く植えられていた。緑が濃いその景観は、一見、豊かな自然が残されているように見える。しか...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年04月19日
津波による被害の報告という内容以前に,ナチュラリストがどんな視点でフィールドとそこにする生物を見ているのかがよく分かって興味深かった.
読むまでは気付かなかったが,津波による物理的な力だけでなく,水圏の塩分濃度が高くなることによって,生息できない・卵が孵化しないといった影響が出ることが分かった.考え...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月15日
東日本大震災が生態系に与えた影響をいち早く、かつ分かりやすく。(写真が多いのが特に分かりやすい)記した本。著者が意見を表明する時は非常に慎重な表現を選んでおり、自然関係の本にありがちなヒステリックな決め付けがないのも好感をもてる。
自然保護と住民の暮らしのどちらを優先すべきかは非常に難しい問題なの...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月12日
2011年3月11日に東北を襲った巨大津波は、動植物の生態系も激変させた。著者は復興がままならぬ中でこんなことをやっていていいのだろうかという苦悩を抱えながら写真を撮っていたという。皆が人の被害に気をとられていて物言わぬ生きものたちに目を向ける余裕がなかったときに、記録をきちんと残しておくことは必要...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年05月08日
冷静で、客観的で、そして視点の面白い「環境書」。扱われている事象が事象であるだけに、手放しで「面白い」とは言いにくい。
しかし3.11はつまり、「自然環境」と「生態系」を巡ってビッグバン的大事件が起こったということは言えるわけだ。その中で生命がどう生き抜き、どう死に絶え、そしてそこに人間がどう関与...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年12月07日
津波の影響というとどうしても人間社会に対するものに目が行き、それは仕方が無いというよりは当然である。
しかし「ボランティアの方たちに後ろめたさを感じ」ながらも、自然環境への影響をきちんと調べた本書は傾聴に値する。立派な仕事だ。
自然が戻ってるように見えても、生態系はすでに変わっている。局地的な絶滅が...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年07月03日
2011年3月11日の東日本大震災で発生した大津波により被害を受けた、東北太平洋沿岸部の生態系の変化を報告している。断片化した砂浜が喪失し、後背湿地が海水をかぶって塩水となり、失われた生き物が多数いることがわかった。また、復興を重要視するあまり、環境アセスメントが省略されていることもわかった。非常時...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年07月08日
山形県を中心に活動されている写真家の永幡嘉之さんによる、東日本大震災の津波被災地の生き物たちの報告。
昨年の大津波では、砂浜や松林が消滅し、内陸にまで海水が到達した地点が数多く見られたが、報道は人間の生活が中心で(当然といえば当然だが)、津波被災地の人間以外の生き物たちの様子についてはほとんど触れ...続きを読む
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