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職場にはパワハラ、モラハラ、セクハラなど数々の嫌がらせ行為があり、多くの被害者を生み続けている。しかし日本では、社会的なルール不足により被害者の救済もままならず、基本的な統計も整っていないため実態把握すら難しい。ハラスメント規制の先進地域であるEU諸国の法整備に通じ、民間団体で相談活動に関わる著者が、日本での概況を解説。参考となる判例や法律の根拠、海外での事例などを紹介し、対策を提言する。
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Posted by ブクログ
職場のハラスメント、なぜ起こり、どう対処すべきか。大和田敢太先生の著書。職場でのハラスメント、パワハラ、セクハラ、モラハラを防ぐには、全員がパワハラ、セクハラ、モラハラに対する知識や理解を高めることが一番の近道。パワハラ、セクハラ、モラハラについての研修を義務付けることが大切だと思う。
ハラスメントは個人の責じゃなくて、企業構造の問題…! ナルホド…考えたこともなかった。 誤解を恐れず、敢えて平たく言う。 私は自分の職場での経験上、ハラスメントをやらかすヤツも、被害に遭う側も、どっちも何かしらある、つまり「個人の問題」なんじゃないかと思っていた。なので、企業構造や組織の風土の問題...続きを読む、と聞いても「いやいや、それはそうかもしれんけど…えー?」という感じで読んでいた。 しかし、だんだん気づき始めた。 もしかして、そういう私は問題のある組織の風土に染まり切っているんじゃないか、と。 恐ろしいほどに、「こういう組織ではー」みたいな文面で、自分の職場の景色が思い浮かぶ。「これ、ウチの会社でもやってんじゃん」あるいは、やらなければいけないことを「これ、やってないじゃん」と。 フランスやベルギー、オランダの法整備と比べて、日本にはハラスメントに対する法律がない、と著者は書いていて、「あれ?」と思った。 本書は2018年発行。現状では、日本でもいわゆるパワハラ防止法ができている。7年か…。 私は、仕事上役に立ちそうな知識として、毎年ハラスメントに関する本を何冊か読むようにしている。 比較的出版年の古くないもの、と思って借りたけど、7年前はもう立派に古い…。年々、ハラスメントに対する社会の動きが変わっている。そのあたりの情報を、組織としてつかむ仕組みは私の職場にはないし、担当者任せな割にヒラ社員の意見は通らない…。 さて…どうしようか…。 最後のほうで出てくる、高橋まつりさんのお母さんのコメントが胸にグサリときた。 社員が過労死しなければ罰せられない 社員からの訴えがなければ罰せられない 通報されなければ罰せられない 調査が入らなければ罰せられない どうしたらよいかは全く答えが出ないけど、少なくとも、ヤバイ職場に染まり切っていることを自覚できただけでも収穫はあった。
年を重ねるごとに 複雑な内容になっている 原因探し 現状を調べても 対応することは難しいのではないか 多くの実例を 知って 対策を考えるために 本書が役立つと思う ハラスメント対策の10か条
【289冊目】自分が職場でハラスメント被害に遭っているという自覚から手に取った本。自分はモラハラに遭ったのではないかと思っているけど、モラハラって説明しづらいよなーと思い、適切な説明を探したけど、うーん。しっくりこず。フランスでの法律上の定義が載っているけど、どちらかというと、モラハラの実例を紹介し...続きを読むてほしかったなぁ。その方が演繹的に考えられるというか。 とはいえ、いくつか学びも。 ◯ 昔は「いじめ」と呼ばれていた現象であるが、語感から労働者個人の問題だととらえられかねない。社会的・組織的に解決を図るべき経営課題であるとの認識を広めるためにも「ハラスメント」と呼ぶことに。 ◯ セクハラ、パワハラ、マタハラ…などと分けて法規制している日本の現状は好ましくない。セクハラ被害を申告することを躊躇し、他のハラスメントであるとして虚偽申告されることもある。包括的なハラスメント規制法を。 ◯ 加害者の意図は重要ではない。被害者の受け止め方に基準を置くこと。ハラスメント発生の有無を、加害者に委ねてしまうことは良くない。 とはいえ、誤ってハラスメントだと認識されたケースや、悪意をもった虚偽申告の問題などもきちんと論じなければ、包括的なハラスメント論とは言えないだろう。経営者は、ハラスメントを裁く裁判官の役目を率先して買って出たいとは思わないだろうけど、その1番の理由は「誤審」じゃないだろうかと思うので。
被害者の視点というか,「ハラスメントだ」と認知して良いのか分からない人が多々というのは本当にそのとおりだと思う。
日本にはハラスメント全般の法的規制と救済制度が存在しないという点、企業組織の構造問題と指摘し、経営課題として取り上げた一冊。他国の具体的な中身に踏み込んだ事例(例 具体的な事件では2カ月に4回の行為がハラスメント)は実効性のある規制を目的としており、分かりやすい。
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大和田敢太
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