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現代の世にかつての男の楽園、「吉原」が復活。主人公は吉原がどういう場所なのか何も知らないまま、養父母にだまされるようにして現代版吉原へ売られてしまいます。彼女につけられた値段は十億。前代未聞の金額で買われた彼女は、「アザミ」と名付けられ、花魁候補として遊女の世界に飛び込んでいきます。
この作品、まず物語の設定がとっても良い!! あり得ないと思いつつも、「現実社会でも存在したかもしれない」と思ってしまうほど絶妙にリアルな世界線なので、ストーリーに違和感を覚えることなく、内容がスッと入ってきます。
また、花魁などの水商売がテーマの作品は、陰険でドロドロした印象の作品が多いかと思いますが、この作品は一味違います。
男と女の駆け引きや愛憎劇というよりも、主人公がトップの花魁になるために努力と葛藤を繰り返す、ど根性成り上がり漫画のように感じられました。
養父母に売られたことにはショックを受けたものの、彼らへの怒りをバネにしてがむしゃらに前に進もうとするアザミの姿は、見ていてとても気持ちがいいですし、応援したくなります。
「男が女を買う=女が下の立場」という構図がどうしても生まれてしまうように思われる遊女の世界で、お金や権力に屈せず、自分の主義を貫くアザミに勇気をもらえる作品です。
糀谷からアザミを守った山吹。彼女の真意はどこにあるのだろう。なぜ自分の座敷に彼女を呼び、大物の客に紹介するのだろう。本当にアザミの姉気分としてだけなんだろうか。それにしても着物の模様や襖の模様が美しいこと。華やかですね。
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