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Posted by ブクログ
あるとき、ふと「なぜ人は美術館では仏像に手を合わせないのか。この展示が終わり仏像が寺に戻ったとき、人々はたちまちこの仏像の前で手を合わせるだろうに。」と思った。そのとき私は"場"が大切なのだと考えていたが、実際は本書のいうところの信仰と芸術の問題とする方がスマートである。
本書で特に良いと思った部分は白洲正子の話である。彼女は清廉な民衆感覚を持っている。加えて、その馬力とあっけらかんとした様は、学者の議論にも何食わぬ顔で分け入って持論を叩きつけてゆけるような凄みがある。「わたしの古寺巡礼」という本があるところにも、「わたしにはわたしの見方、わたしの歩き方があるのよ」と言っているような気がして頼もしい。古寺巡礼という教典のような作品があっても、それをそっと横に置いて「自分の目で見てこよう」と歩き出すその胆力と姿勢を私も見習いたい。
Posted by ブクログ
<目次>
序章 仏像巡りの基層
第1章 日本美術史の構築と仏教~明治期
第2章 教養と古寺巡礼~大正期
第3章 戦時下の宗教復興~昭和戦前期
第4章 仏像写真の時代~昭和戦後期①
第5章 観光と宗教の交錯~昭和戦後期②
終章 仏像巡りの現在
<内容>
「仏像」と銘打っているが、どちらかと言えば、仏像巡りや観光と宗教観の変遷の近現代史、と言ったところか?フェノロサ、小川一真、和辻哲郎、亀井勝一郎、土門拳や入江泰吉、最後はみうらじゅんといとうせいこうが登場する。自分は「観光」に特化して、仏像好きなのだが、そこに神々しさを見つけるくらいでいいと思っている。著者とはちょっと違うかな?
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