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「日本の法人税は高い」。多くの経済学者・経済評論家が口にすることがある。しかし、それは事実ではない。確かに日本の法人に関する税金は、名目の上では、世界の中で高い部類に入る。が、大企業にはさまざまな税の抜け穴があり、実質的に負担している額は非常に低いのである。… 日本経済のタブー、大企業の不都合な真実を明らかにする。
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Posted by ブクログ 2016年07月31日
この本のタイトルをインターネットで見たときには驚きました、何かの間違いとも思ったのですが、著者が私がこれまでに何冊かお世話になってきている、元国税調査官の方が書かれているので根拠はあると思い、中身を見ないで購入しました。払っていない税金は、2009年間から5年間にかけての「法人税」(p13)でした。...続きを読む 世界販売台数が4年連続世界一のトヨタなのに、どうゆうカラクリで法人税が逃れられるかが書かれています。また、驚くことに、トヨタが得をした税制改正が4つも(消費税、研究開発減税、海外子会社の配当金非課税、エコカー補助金)がある(p15)というのも驚きでした。 日本ではトヨタが行っていることは、ほかの自動車メーカもそれに倣っている可能性があります。果たして日本の自動車メーカに将来はあるのでしょうか、ふと不安になりました。 以下は気になったポイントです。 ・日本の法人税制には、赤字繰越制度があり、赤字金額が5年間繰り越される。2010-2011年は経常赤字であり、2012年に税金を払っていなかったことは理解できるが、2013年まで税金を払っていなかったことに、日本税制の最大の闇がある(p18) ・最大の理由は、外国子会社からの受取配当の益金不算入、がある。外国子会社からの配当の95%が課税対象となる(p19) ・アメリカ子会社が日本の本社に配当した場合、源泉徴収額は10%、日本の法人税は、国税+地方税で30%、その差額分が日本本社の懐に収まる(p21) ・海外子会社配当の非課税制度は、トヨタの収益の柱を非課税にする制度(p25) ・海外進出とは、日本の工場や技術を海外に移転するということ。海外に進出してしまえば、国内で使っていた経費がなくなる。それが収益よりもかなり大きい(p29、30) ・ベルギーがタックスヘイブン(配当所得やロイヤリティ等)なので、トヨタの持っている知的財産をベルギーの子会社に持たせ、欧州各地での収益をそこに集中させる(p35) ・2003年導入の研究開発費の減税とは、研究開発費の10%分の税金を削減するというもの。限度額は会社の法人税額の20%、つまり、法人税が20%も下げられたことになる(p42) ・研究開発税制による日本全体の減税額は、6240億円、トヨタは1201億円なので全体の20%を独占している。全体の0.1%にも満たない資本金100億円超の企業への減税額が全体の8割を占める(p43、46) ・税負担の低い企業の多くは、トヨタと同様に、1)海外子会社からの受取配当、2)研究開発費、の節税スキームを使っている(p51) ・景気対策をするには、まず低所得者層を狙わなければならない。消費性向の高い層を優遇することが現実的に最も効果のある景気対策である(p55) ・現在名目上の法人税率は23.4%(国税)だが、事実上は18%程度、このレベルは世界的に見て全く高くない(p58) ・実際の経済財活動においては、法人税の減税は賃下げ圧力を生む(p64) ・派遣法の改正が非正規雇用を増やしたことはデータにはっきり出ている、90年代半ばまで20%程度であった非正規雇用の割合が、98年から急激に上昇し、現在では35%を超えている。これは、格差社会と少子高齢化の大きな要因となっている。アメリカでさえ非正規社員は総労働力の27%(p71、85) ・サラリーマンの平均給与は、1999年から下がり続けている。2010、2013年に久しぶりに上昇。(p75) ・トヨタは期間工を、2年11か月雇って、1か月間の空白期間をおいて、また再雇用する。これは労働基準法に明確に違反していない(p81) ・国民消費は300兆円近くあるので、消費税は本来24兆円くらいのはずだが、実質には17兆円。国民が払った消費税の3分の1程度は消えている。それに伴い、物品税は該当事業者が少なく、徴収経路も単純であり、徴税効率はほぼ100%であった(p100) ・物品税を廃止して消費税を導入した理由は、物品税に該当する業種の団体が執拗に政治家に働きかけたから(p101) ・自動車にかかっていた物品税は、3ナンバー車:23%、5ナンバー車:18.5%、軽自動車:15.5%(p102) ・消費税による増収(1997年:3→5%)は、約10兆円だが、これは、大企業と高額所得者の減税分ですべて吹っ飛んでいる(p104) ・輸出されるものは、国内で製造する段階で、材料費などで消費税を支払っているので、輸出されるときに還付される=戻し税がある(p106) ・トヨタは2009年度の増税前の消費税還付金は、2106億円、増税後に想定される還付金は、3369億円である。トヨタは2007-2011年度まで、実績として、2106-3219億円の還付を受けている(p107) ・日本企業上位10社は、消費税の戻し税が、1兆円を超える。消費税全体の収益が10数兆円である、効率が悪い税金である(p108) ・トヨタの売上原価が減っている、さらに有形固定資産額が減少している。これは、新たな設備投資を殆ど行っていない、現在の設備を縮小していることを意味する(p130) ・日本以外の国(アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス)と比較すると、製造業の時間当たり賃金は、日本のみ2003-10年まで同じ、他国は上昇している。リーマンショックの影響を受けているにも関わらず(p154) ・太古からの歴史が証明するように、大国の崩壊や大きな革命の背景には、常に、経済格差の問題があった。(p182) 2016年7月31日作成
Posted by ブクログ 2016年12月23日
日本を代表するNo.1企業が情けない。 企業の社会的責任について、考えさせられる。 リーディングカンパニーであるトヨタがこんな感じである。 政治献金企業ランキング1位だそうだから、自民党とはズブズブの関係なんでしょうか? 企業倫理ってもんはないのか? 非正規雇用の範囲を広め、賃金凍結は問題である。
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大村大次郎
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