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Posted by ブクログ
秘境を冒険する13の物語。
ルビと文体が独特ですが、舞台のようなセリフの言い回しや文体のリズムに思わず没頭してしまいます。お気に入りは『天母峰』『水棲人』です。
天母峰
「ユートピア!? しかし僕は、小説にあるような美しさは求めていない。きっとそこには、冬眠生理でもあるような人間がいるだろう。ながい冬は眠り、短い春は耕す──そういう世界にこそ、ユートピアはあるのだ」
水棲人
「人間はちいさな機会などに眼をくれていたら、大きなのを失うよ。誰にも、一生に一度はやってくる大かいやつを、俺は捕まえようってんだ(後略)」
「面白くもない私の生涯に、過ぎゆく女性の衣摺れの音を聴いたのも、まったくあなたのお陰」
『天母峰』何もしなくて良い、ということの先には虚無があるのだと思いました。私たちが生み出したものが私たちを豊かにしてきたのであり、皆が何もしないのであれば、ただ滅びゆくのみなのだ、と。
『水棲人』愛する人の幸せのために、あなたは一体どれほどのことができますか。愛する人の愛する人のために、生きることはできますか。
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